2018年09月21日
銀歯が取れてしまった場合、内部が真っ黒になっている場合があります。この場合、取れてしまった銀歯は再び付け直すことができるのでしょうか。
銀歯が取れる原因とは
銀歯が取れる最大の原因は、二次カリエスです。
一般的に銀歯と呼ばれている金属の詰め物や被せ物は、二次カリエスになりやすいことで知られています。二次カリエスとは、治療した歯の詰め物や被せ物の下で再び虫歯になってしまうことで、保険適用の金属素材の補綴物に起こりやすいトラブルのひとつです。
ではなぜ銀歯は二次カリエスになりやすいのでしょうか。
金属素材の詰め物や被せ物は、歯との密着性に劣り、どんなに精巧に作られても歯と補綴物の間に隙間が生じてしまいます。その隙間から、虫歯菌を含んだ唾液が少しずつ流れ込み、補綴物の下で虫歯が生じます。その結果、内部で広がった虫歯のため詰め物や被せ物が浮き上がって最終的には取れてしまうのです。
その他銀歯が取れる原因として挙げられるのは、接着剤や素材の劣化、歯ぎしりなど過剰な負荷がかかることによる破損などです。
取れてしまった銀歯は元に戻せるのか?
では取れてしまった銀歯を付け直すことは可能なのでしょうか。
取れた歯は内部で虫歯になっていたり、素材の劣化などにより、ほとんどの場合再接着できません。
特に内部が虫歯になっていると、まず虫歯の治療を行う必要があります。再び根管治療を行い、虫歯部分をきれいに治してから型取りを行い、新しい被せ物を装着します。
ただし金属の補綴物は二次カリエスのリスクが高く、数年後には再び同じようなことが起こる可能性が高くなります。再治療を繰り返す二次カリエスは、最終的に歯を失うリスクが高い治療法と言えるのです。
なお土台の状態によってはそのまま付け直すことができる場合もあります。取れてしまった補綴物は、捨てずに歯科医院へお持ちください。
自費の補綴物について
金属の補綴物は、保険適用となっています。金属のため丈夫な反面、上で述べたとおり二次カリエスになりやすく、再治療を繰り返すケースがほとんどです。
いっぽうセラミックを使った自費の補綴物は二次カリエスになりにくいという特徴があります。セラミックは審美的に美しいだけでなく、実はプラークが付きにくいという優れた特徴があります。プラークは虫歯の原因物質ですが、プラークが付きにくいことによって、虫歯リスクも低減するのです。
またセラミックは歯との密着性がよく、歯と補綴物との間に隙間がほとんど生じません。そのため唾液や虫歯菌が入り込みにくく、内部で虫歯になることが少ないのです。
審美面と機能面、そして予防面に対しても、自費の補綴物は歯の健康を守ることができる治療法と考えられます。
取れたまま絶対に放置しないこと
被せ物や詰め物が取れてしまったら、絶対に放置せず、速やかに歯科医院を受診するようにして下さい。痛くないからとそのままにしておくと、穴が開いた部分に細菌感染を起こし、虫歯の原因になってしまいます。
また取れたままにしておくと、噛み合わせにも変化が生じてしまいます。噛み合わせはお口の中だけでなく、全身の健康にも大きく関わります。
そのまま放置せず、まずは取れた補綴物を持って早めに歯科医院を受診してください。
2018年09月20日
歯ぐきが痩せてくると歯が長く見え、なんとなく老けた印象になってしまいます。歯ぐきが痩せて下がってくる原因はひとつではありません。今回は、歯ぐきが痩せる原因と、歯ぐきが痩せないための予防法および痩せてしまった歯ぐきの改善法など、歯ぐきをメインにお話いたします。
歯ぐきが痩せる原因について
痩せた歯ぐきにお悩みを持つ人は少なくありません。口元は年齢が現れやすいパーツでもあり、歯ぐきが痩せてしまうことは、口元だけでなくお顔全体の印象にも大きく関わります。
歯ぐきが痩せてしまう原因は、次のようなことが考えられます。
・加齢
コラーゲンは肌のハリに欠かせないものとしてよく知られていますが、実は歯ぐきにも深く関わっています。
年齢を重ねると、コラーゲンが減少してハリが失われていきます。歯ぐきを構成している約60%はコラーゲンです。年齢を重ねるごとにコラーゲンが減少し、歯ぐきが痩せて下がってしまいます。
・歯周病
歯周病が進行すると顎の骨が吸収され、歯を支える顎の骨の量が減ってしまいます。そのため歯ぐきの位置が下がり、歯ぐきが痩せてしまったように見えてしまいます。
・間違ったブラッシング
一生懸命汚れを落とそうと、ゴシゴシと力強く歯を磨いていませんか?歯磨きの目的は汚れをきちんと落として歯周病の元となるプラークを作り出さないことです。いくらゴシゴシと歯を強く磨いても、汚れが落とせていないとやがてプラークが形成され、歯周病の原因となり歯槽骨が吸収されてしまいます。間違ったブラッシングは歯ぐきが下がる原因になります。
・噛み合わせや悪い歯並び(咬合性外傷)
歯ぐきが痩せる原因の中に、噛み合わせや歯並びがあります。上下の歯の噛み合わせが悪いと、歯槽骨が溶けてしまいます。その結果歯ぐきが下がってしまうことがあります。
このように歯周病ではないのに歯槽骨が溶けてしまうことを、咬合性外傷といい、歯ぐきが下がる原因のひとつと言われています。
歯ぐきが下がらないように気を付けることとは?
歯ぐきが下がるいちばんの原因は、歯周病です。間違ったブラッシングを続けているとやがて歯周病に進行し、歯ぐきが下がってしまいます。歯科医院で定期的に歯石除去を行う他、日常のブラッシングの仕方を見直すことで正しいブラッシングへと改善され、歯周病の進行を抑制することが可能になります。
特に寝る前のブラッシングは大変重要です。歯ブラシだけではなく、フロスや歯間ブラシを使って歯間ケアを行うことがとても大切です。
また歯ぐきのハリを保つためにも、ビタミンCなどのビタミン類やコラーゲンを積極的に摂取することも、歯ぐき下がりの防止に効果が期待できます。
下がってしまった歯ぐきの治療法について
歯ぐきはいちど下がってしまうとなかなか元には戻りません。歯ぐき下がりの進行を抑制することは可能でも、元の状態に戻すことは難しいでしょう。
下がった歯ぐきを改善する治療法として、「歯肉再生手術」という外科治療があります。痩せてしまった歯ぐきの部分に他の部位の歯肉を移植したり、周りの歯ぐきを引っ張って移動させる治療法です。
また咬合性外傷が原因の場合、噛み合わせを調整する治療を行うこともあります。
歯ぐきが下がる原因は様々です。日々のブラッシングを見直すことを最優先に考え、どうしても気になる方はご紹介した外科治療を考慮に入れてみてはどうでしょうか。
2018年09月19日
お口の中の衛生状態を保つためのケアグッズの代表は、歯ブラシです。歯ブラシは歯の汚れを落とし、お口の中をすっきりさせるために欠かすことはできません。
では歯と歯の間の食べかすや汚れを取り除くために何をお使いでしょうか?残念ながら歯ブラシだけでは歯の間の汚れをきれいに掻き出すことは難しいのです。
そこで実践していただきたいのが「歯間ケア」です。歯間ケアに必要なグッズは、デンタルフロスと歯間ブラシです。
特に歯間ブラシは、歯と歯の隙間が広めの方や奥歯の歯間ケアを行うのにとても便利です。
今回は、歯間ブラシに着目し、よりよい使い方についてご提案させていただきたいと思います。
歯間ブラシのサイズや形状について
歯間ブラシにはサイズがあり、SSSという極細のサイズから少し太めのLサイズまで5種類あり、歯と歯の隙間に合わせて使うようにします。
歯と歯の間に歯間ブラシを入れ、軽く押してスムーズに動くことができるサイズを選びます。無理に押し込むと歯ぐきを傷つけ、血が出てしまうことがあるため無理やり押し込まないようにして下さい。
サイズがわからないときは、かかりつけの歯科医院で歯科衛生士に尋ねると、ご自身にピッタリのサイズを提案してくれます。
歯間ブラシにはL字型のものとI字型のものがあります。使いやすいほうを選ぶといいですが、奥歯はどちらかといえばL字型のほうが使いやすいでしょう。
歯間ブラシは毛先がナイロンのため、使用後に水できれいに洗い流して乾かすことで、繰り返し使うことができます。毛先がまばらになったり細くなってきたら交換するようにして下さい。
より効果的な歯間ブラシの使い方
歯間ブラシを使うとき、何もつけずに歯間ケアを行っていませんか?もちろんそれでも汚れを掻き出すことはできますが、歯ぐきのケアを兼ねたより効果的な使い方は、歯間ジェルを併用することです。
歯間ケアを行う目的は、歯と歯の汚れを掻き出してプラークの形成を抑制すること、そして歯ぐきの炎症を鎮め、歯肉炎や歯周病を予防することです。歯磨き剤メーカーから販売されている歯間ジェルには、歯ぐきの炎症を抑える殺菌成分や抗菌成分、抗炎症成分が含まれており、歯間の汚れを取り除くとともに歯ぐきの炎症を抑える効果が期待できます。
またフッ素も含まれているため、虫歯予防にも効果があります。歯周病などで歯ぐきが下がってくると歯の根元が露出してしまいます。この部分はエナメル質に覆われていないため、虫歯になりやすいのです。歯間ジェルに含まれているフッ素の効果で、歯の根元の虫歯予防を行うことが可能となります。
また長くお口の中にとどめておくことで効果を発揮するため、歯磨き及びうがいを終えた後、ケアのいちばん最後に使うことをお勧めします。
2018年09月18日
虫歯や歯周病から歯の健康を守るためには、お口の中の衛生環境を清潔に保つことが何よりも大切です。その基本はブラッシングですが、実はブラッシングだけでは細かい汚れを落とすことができません。そこで是非使っていただきたいのがデンタルフロスと歯間ブラシです。しかしフロスと歯間ブラシ、いったいどちらを使うべきなのでしょうか。
歯ブラシだけでは細かい汚れは落とせません
「毎日歯磨きをしているから虫歯や歯周病の心配はない」と安心していませんか?残念ながら歯ブラシだけでは歯と歯の間の細かい汚れを完璧に落とすことはまず不可能です。
どんなに一生懸命時間をかけて歯ブラシで歯を磨いても、どうしても落としきれずにプラークの原因となるのは、歯の間に残る汚れなのです。実際に歯と歯の間の虫歯というのは非常に多く、その状態はご自身では気づきにくいものなのです。
歯と歯の間が虫歯にならないためには、間に残る食べかすをしっかりと掻き出すようにしなければいけません。しかし歯ブラシの毛先は歯の間に入りにくいため、どうしても「食べかすや汚れが残ってしまいます。
歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目に挟まってしまう食べかすを取り除くためには、デンタルフロスや歯間ブラシがどうしても必要なのです。
デンタルフロスと歯間ブラシの違いについて
ではデンタルフロスと歯間ブラシはどう違うのでしょうか。
・デンタルフロス
まずデンタルフロスですが、デンタルフロスは全ての歯と歯の間に使うことができます。フロスは指で巻き付けて使うタイプやホルダーが付いているタイプなどがあり、使いやすい形状のものを使って歯の間に残る食べかすや汚れを掻き出します。
フロスは細くて頑丈なため、コンタクトが狭くても歯のすき間に入れることができます。
どの部位でも使用できるため、万能アイテムと言ってよいでしょう。
・歯間ブラシ
歯間ブラシも歯と歯の間に残る食べかすを掻き出すためのアイテムです。特に歯ぐきが下がって歯と歯ぐきの間に黒い三角のような披露目の隙間が生じている場合、フロスよりも歯間ブラシで歯ぐきの間に残る汚れをしっかりと落としてくれます。また歯と歯の隙間が広めの方は、フロスよりも歯間ブラシのほうが汚れをしっかりと落とせます。
サイズもサイズ1(SSS)からサイズ5(L)まであり、歯と歯の隙間の広さに合わせて選ぶことができます。
ただし歯間ブラシが入らない部位は無理に通さないで下さい。歯ぐきを痛める原因になります。
フロスと歯間ブラシは併用がおすすめ
デンタルフロスも歯間ブラシも、虫歯や歯周病の原因となるプラークの形成を防ぐために欠かせないアイテムです。どちらを使うべきかということに関しては、できることなら部位に合わせて両方使用することが望ましいでしょう。
ただ歯間ブラシは入らない部位があるため、全ての部位に使用できるデンタルフロスがおすすめと言えます。
歯の健康には歯間ケアが欠かせません。一日に一度、できれば寝る前の歯磨きに歯間ケアを取り入れて、虫歯や歯周病から歯を守るようにしましょう。
2018年09月14日
お口の中のトラブルとして最も身近な虫歯は、小さなお子さんから高齢者まで、年齢を問わず発症しやすい病気です。しかし虫歯は心がけ次第で防ぐことが可能であり、そこには食生活と生活習慣が深く関わっています。今回は、虫歯を予防するための食生活と生活習慣についてお話をしたいと思います。
虫歯とは?
虫歯は、ミュータンス菌などの虫歯菌が作り出す酸によって歯が溶ける病気です。そしてミュータンス菌が酸を作り出すために必要なものは、「砂糖」です。食べかすの中に含まれる砂糖は、ミュータンス菌が棲みつく原因となり、虫歯の元凶です。
しかし虫歯は一日でいきなり発症するわけではありません。虫歯になる前の段階として、歯の表面が酸によって溶ける「脱灰」という状態になり、この脱灰が進むとやがてエナメル質に穴が開いて「虫歯」へと進行してしまうのです。
また虫歯になるのは、4つの要因が重なることで起こることも分かっています。その4つの要因は、次のとおりです。
・虫歯菌の存在
・糖分(砂糖)
・時間
・歯質
虫歯菌が存在すると、誰でも虫歯になる可能性は出てきます。そこへ虫歯菌のエサとなる砂糖が長時間お口の中に留まることで、虫歯リスクは高くなります。また歯の質が虫歯菌に対して強くなければ、歯が溶けやすくなって虫歯へ進行しやすくなってしまいます。
虫歯にならないためにすべきこととは
いくら頑張って歯磨きをしても、虫歯になってしまう・・・。このような人は非常に多いと思います。歯磨きは虫歯予防の基本ですが、歯磨きを頑張っても虫歯になりやすい人は、食生活と生活習慣の見直しが必要かもしれません。
・砂糖を含んだ飲食物は控えめに
砂糖はミュータンス菌の格好のエサとなるため、砂糖をたくさん含んだお菓子やジュースなどを摂取しすぎないように気を付けましょう。特に炭酸ジュースや乳酸菌飲料はお子さんが好んで摂取しやすいため、与え過ぎに注意が必要です。
またスポーツドリンクも意外と砂糖を含んでいるものがあります。スポーツをする人にスポーツドリンクは欠かせませんが、普段から常飲しないほうが良いでしょう。
・間食は時間と回数を決める
お菓子やジュースを口にする時間や回数をきちんと決めることは、虫歯予防に大きく関わります。一日に何度もお菓子を口にしないよう、時間と回数はきちんと決めておきましょう。
・歯質を強くする
虫歯になりにくい歯を作り出すことも大切です。小魚や海藻など、普段の食事でカルシウム、ミネラルをたくさん摂るように心がけましょう。またフッ素を摂り入れることで歯質を強くします。日常の歯磨きでフッ素入りの歯磨き剤を使用し、定期検診でフッ素塗布をしてもらうなど、虫歯に対して歯を強くしておく必要があります。
中には、歯磨きが適当であっても全く虫歯にならない人もいます。これは歯の質や、もともと持っている虫歯菌が少ないことなどが考えられます。これに対して虫歯になりやすい人は、虫歯になりやすいことをしっかりと自覚したうえで、上に挙げた注意点に気を使った生活を送るようにして下さい。
また定期検診は欠かさず受診し、お口の中に異常がないかどうかチェックを受けるようにして下さい。
虫歯は予防が可能です。毎日のケアに加え、虫歯になりにくい食生活や生活習慣を送り、歯科医師から適切なアドバイスを受けてトラブルから歯を守りましょう。
2018年09月13日
歯科医院では唾液や血液を伴う治療を行います。そのため使用済みの歯科器具にはたくさんの細菌が付着しており、きちんと滅菌を行わないと院内感染の原因となってしまいます。
また患者さんが肝炎であった場合、滅菌が不十分であると次の患者さんに肝炎が移るリスクがあります。
このようなリスクを避け、患者さんが安心して治療を受けるためにも、滅菌や消毒は欠かせないのです。
しかしながら、歯科器具の使いまわしが行われている歯科医院は未だ存在し、滅菌や消毒といった院内感染対策がきちんと行われていない実態が明らかにされています。
確かに滅菌や消毒は手間やコストがかかります。それでも患者さんに安心して歯科治療を受けていただくためには、院内感染予防対策は絶対に欠かすことができないのです。
滅菌、消毒の流れ
では治療後の滅菌、消毒はどのように行われるのでしょうか。歯科医院により多少の違いはありますが、一般的な滅菌、消毒の流れをご説明します。
- 治療後、廃棄するものと次に利用するものとに分ける。基本セットなど、滅菌機に入れても大丈夫なものは一定時間消毒液に浸け、超音波洗浄機に入れて細かな汚れを落とす。その後水できれいに洗い流して滅菌パックなどに入れ、ガス滅菌機に入れて滅菌する。
廃棄するもので血液が付着しているガーゼやワッテなどは、感染用のごみ箱に捨てる。
- 歯を削ったり研磨をするタービンやコントラなどは専用の滅菌機に差し、洗浄後オイル注入を行う。その後一本ずつ滅菌パックに入れ、高圧滅菌機に入れて滅菌する。
- プラスチックのスパチュラなど滅菌できないものは、ヒビテンなどの消毒液に浸し、超音波洗浄をかけてアルコールワッテなどできれいに拭き、所定の場所にしまう。
- 根管治療で使うファイルやリーマー、歯を削るバー、歯石除去で使うスケーラーチップなど小さなものも全て滅菌や消毒を行い、次の患者さんが安心して使えるように整えておく。
- 治療で使ったチェアは、アルコールワッテできれいに拭きとっておく
- インプラントなど外科処置で使う手術着は使い捨てでない場合、洗濯をして滅菌パックに入れ、ガス滅菌しておく。
滅菌、消毒がきちんと行われているかどうかの見極め
滅菌や消毒が行われ、院内感染予防対策が取られている歯科医院かどうかは、実は患者さんにはわかりにくいものです。滅菌作業は患者さんから診えないスペースや部屋で行われるため、通っている歯科医院が滅菌をちゃんと行っているかどうかの見極めは難しいかもしれません。目安としては
「タービンなどがユニットに差したままでないかどうか」
「基本セットは患者さんが席に着くまで開封されていないか」
「紙コップやエプロンなどは使い捨てかどうか」
「先生やスタッフは、患者さんごとにグローブを変えているか」
ということが挙げられます。
最近ではホームページなどで滅菌消毒対策のページを設けている歯科医院が多くなりました。患者さんが安心して治療を受けるためにも、歯科医院を選ぶ際にの参考にしてみて下さい。
2018年09月12日
どんなに毎日きれいに歯磨きを行っても、歯は少しずつ着色しています。では少しでも着色を防ぐためには、普段の生活でどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。
歯磨きをしているのになぜ歯に色素が付いてしまうのか?
白くきれいな歯は清潔感にあふれ、顔全体の表情を引き立ててくれます。しかし飲食により歯の色がくすんでしまうと、笑顔が台無しになってしまいます。また黄ばんだ歯は実年齢よりも老けて見られてしまうことがあり、決してプラスのイメージではありません。
歯の着色をステインと言いますが、ステインの主な原因は、日常の飲食です。つまり毎日飲食をするたびに少しずつ歯に食べ物の色素が沈着してしまうのです。
また嗜好品の中にも着色しやすいものがあり、日常生活を送る上でステインは仕方ないと言えるでしょう。
ステインが付きやすい飲食物や嗜好品とは
ではステインが付きやすい飲食物や嗜好品はどんなものがあるのでしょうか。
・コーヒー、紅茶、ウーロン茶、チョコレート、カレー、ミートソース、赤ワインなどは
ステインが付きやすい代表的な飲食物です。コーヒー、紅茶は毎食後ごとに飲む方もいらっしゃるかもしれません。
このような習慣的飲料は特にステインが付きやすく、気が付けば歯がなんとなく茶色くなっている大きな要因と言えるでしょう。特に赤ワインは非常にステインがつきやすいことで知られています。
・タバコのヤニ
タバコはヤニが付着しやすく、ヤニが付いた歯は茶色く汚れています。ヤニは歯にへばりついているため、歯磨きではなかなかきれいに落とすことができません。タバコは歯の汚れだけでなく、歯ぐきが赤黒く変色し、不健康に見えてしまいます。
ステインをできる限り防ぐことはできるのか
飲食物や嗜好品によりステインが付着することは仕方ありません。そこで少しでも着色を遅らせるために、日常で気を付けるべきポイントをご紹介します。
・食後に水を飲むまたはゆすぐ
コーヒーや紅茶、カレーなど着色しやすいものを口にした後は、とりあえず水を飲むかゆすいで色素を洗い流しておきましょう。
・キシリトールガムを噛んで唾液を出す
唾液をたくさん出すことで、お口の中の乾燥を予防することができます。というのも、お口の中が乾燥すると、着色しやすくなるからです。
しっかり噛むことで唾液は分泌されやすくなります。キシリトールガムは虫歯の心配がありません。食後にキシリトールガムをしっかり噛んで唾液を分泌させるようにしましょう。
・ステイン除去効果のある歯磨き剤を使う
歯磨き剤には色々な種類がありますが、着色を除去する成分が配合されている歯磨き剤を使うことで、ある程度着色のペースを遅らせることが可能です。ステイン除去効果のある成分として、ポリリン酸やシリカが含まれている歯磨き剤を選ぶとよいでしょう。
なお重曹で歯磨きをすると歯が白くなると言われていますが、重曹は研磨力が強いため歯の表面を傷つける恐れがあり、かえって色素を取り込みやすくなる可能性があるためあまりおすすめとは言えません。
なおタバコのヤニは強力なので、上でご紹介した方法では期待できません。歯科医院でクリーニングを受けることで除去するしかありません。
定期的にクリーニングを受けることが最も効果的
歯の着色に気を付けるべきポイントについてお話しました。毎日飲食を行うために起こる着色は仕方ありません。ご紹介したポイントを参考にして、少しでも着色のペースを遅らせるようにするとよいでしょう。
やはり定期的に歯のクリーニングを受けることが最善策です。
2018年09月10日
寝ている間や家事の間など、無意識の間に行う癖のひとつに、歯ぎしりがあります。ギリギリと歯をこすり合わせる歯ぎしりは、歯を擦り減らしてしまう他に、歯並びにも影響すると言われています。では歯ぎしりを行うことで、歯並びにどんな影響があるのでしょうか。
なぜ歯ぎしりを行ってしまうのか
歯ぎしりは、就寝中だけ行われるものではありません。ギリギリと歯をこすり合わせるだけではなく、歯ぎしりにはいくつか種類があります。無意識に噛み締めてしまう場合や、カチカチと上下の歯を鳴らすのも歯ぎしりの一種です。
歯ぎしりの原因は、主にストレスと言われています。ストレスを抱えていると、常に筋肉が緊張した状態になることが歯ぎしりに繋がってしまうと言われています。
歯ぎしりをすることで受ける影響とは?
歯ぎしりを行うことで受ける影響は、まず歯の摩耗です。音がするくらい上下の歯を強くこすり合わせる、または強く噛み締めたまま顎を動かすことで歯に大きな負担が加わってしまいます。そのため歯の表面が擦り減ってしまう、歯が割れる、そして顎や顎関節に負担がかかって顎関節症を引き起こしてしまうなど、歯や顎にとって非常に悪い影響を与えてしまうのです。
歯ぎしりと歯並びはどう関係する?
実は元々の歯並びは、歯ぎしりに直接関係ないと言われています。
しかし歯ぎしりを行うことで、歯の根にも負担がかかってしまうため、歯ぎしりを続けていると歯の根っこの向きが変わってしまうことがあります。また歯が摩耗して長さが変わる、歯の根っこが溶けてしまうことで噛み合わせに変化が生じることがあります。
つまり歯ぎしりという悪癖を続けてしまうことで根の向きが変わり、歯並びに変化が生じてしまうことが考えられるのです。
歯ぎしりはどうやって解消する?
歯ぎしりや食いしばりによる歯のダメージを避けるためには、マウスピースを装着することが症状の改善に繋がります。マウスピースは歯を保護するため、歯ぎしりや食いしばりによる歯の摩耗を防ぎ、歯の根の吸収を抑えて歯並びや歯の高さに変化が生じることを防いでくれる役割を持っています。そのため歯ぎしりによる歯並びの変化を防ぐことも期待できます。
歯ぎしりや食いしばりは歯だけでなく顎にも深刻な影響を与えてしまいます。自分では気づきにくい食いしばりですが、家族の方の指摘があったときや、なんとなく歯が擦り減っている、顎がだるい、肩凝りや頭痛が続くなどの症状があるときは、歯ぎしりが疑われます。
もし歯ぎしりをしているかも、と心配になったらなるべく早いうちに歯科医院を受診してください。
2018年09月7日
私たちは普段はそれほど意識せずに毎日飲食を行っています。そのため自分の歯で食事ができるありがたさや幸福感というものをつい忘れがちになってしまいます。
歯は失ってはじめてその大切さをしみじみと感じることでしょう。
あなたが歯医者に行くときはどのようなときですか?歯医者との付き合い方は、あなたの歯の寿命に大きく関わります。
今歯科医院の数はコンビニより多いと言われていることはよくご存じだと思います。これほど多くの歯科医院の中から、かかりつけ医を選ぶことは、実は容易ではありません。
かかりつけ医とは、「体調の管理や病気の治療および予防など、自分や家族の健康に関して日常的に相談でき、緊急の場合にも対処してくれる医師及び歯科医師のこと」と定義づけられています。
つまり歯を長持ちさせるためには、歯の治療だけでなく、歯が悪くならないことを考慮してくれる歯科医院を選ぶことが最も大切なのです。
定期的な検診を受けることはもちろん、「こんなことで歯医者に行っても大丈夫かしら」と思うほど些細なことでも気軽に相談できる歯科医院を決めておくと安心です。
歯科医師に求められる役割も、「悪い歯を治す」から「虫歯や歯周病などのトラブルから歯を守る」に変化してきています。これまでは患者さんの歯の不調を治すことが主体でしたが、患者さんの歯の健康を守る「予防」が中心となる時代です。
とは言うものの、日本の歯の予防に対する意識は海外に比べるとまだまだ低く、その結果は残存歯数となって現れています。
日本では80歳の残存歯数が平均6.8本に対し、米国の85歳の平均残存歯数は15.8本、スウェーデンでは75歳の平均は19.5本と報告されています。
この数字を見ると、諸外国と比べていかに日本が歯の予防認識が低いかと言うことが顕著に表れているのがわかります。
歯を長持ちさせるためには、患者さんと歯科医師の信頼関係が欠かせません。
患者さんが求めるのは高度な治療や天才的な技術ではなく、「通いやすい歯医者さん」なのです。
通いやすい歯医者さんこそがかかりつけ医であり、歯の健康を守るための予防治療に力を入れている歯科医院と言えるでしょう。
歯はいちど削ると元に戻りません。そして治療した歯は、かなりの高確率で再治療が必要となります。再治療を繰り返すと、最終的に歯を失う結果が待ち受けているでしょう。
冒頭で述べた通り、歯は失ってはじめてその大切さがわかります。歯を長持ちさせるためには、患者さんご自身がきちんと定期検診に通うことが大切です。
そしてどんな些細なことであっても、歯科医師に相談しましょう。
2018年09月6日
お口の中を清潔にし、虫歯や歯周病などのトラブルを防ぐ歯磨きは、皆さん毎日行っていることと思います。しかしその歯磨きの仕方は、果たして正しいでしょうか?今回は正しい歯磨きの仕方をもう一度おさらいしてみたいと思います。
「磨いている」と「磨けている」では大違い
皆さんは歯をきちんと「磨けて」いますか?「磨いている」と「磨けている」ではニュアンスが異なり、お口の中の健康にも当然差が出てしまいます。
歯を磨くということは、飲食により付着した食べかすや汚れをきちんと落とすことを意味します。ところが歯磨きを行ってもきちんと磨けていないと、残った食べかすがプラークとなり、虫歯や歯肉炎などを引き起こしてしまいます。
お口の中には非常に多くの細菌が存在しており、食べかすの中に残る糖分をエサにしてプラークを作り出します。プラークは細菌の塊で、虫歯菌や歯周病菌が棲みついて酸や毒素を放出し、歯や歯ぐきにトラブルを起こしてしまいます。
虫歯や歯肉炎などにならないためにはプラークを作らないこと、そしてプラークを作らないためには食べかすをきちんと取り除くことが、本当の「歯を磨く」という意味になるのです。
汚れが溜まりやすい部分とは?
・歯と歯ぐきの境目
歯の表面は磨きやすく、汚れを落としやすいですが、歯と歯ぐきの境目は意識をしないと歯ブラシの毛先がきちんと当たりにくく、汚れが残りがちになります。歯と歯ぐきの境目に汚れが残ると、歯肉が腫れて出血する歯肉炎や歯周炎が起こりやすくなります。
・歯と歯の間
歯と歯の間も汚れが落ちにくい場所です。歯と歯の間に汚れが残ると虫歯を引き起こしやすくなります。
正しいブラッシングの方法について
では汚れをきちんと落とすためのブラッシング法をご紹介します。
まず磨く順番を決めます。順番を決めることで磨き残しがないようにすることを目的としています。
次に歯ブラシの持ち方です。歯ブラシは鉛筆を持つように軽く持ち、歯と歯ぐきの境目に歯ブラシの毛先を斜め45度にして当て、左右に細かく動かします。このとき力を入れず、軽く振動させるように歯ブラシを動かすようにして下さい。一本の歯につき、約20~30回程度動かします。
前歯や小臼歯は比較的磨きやすいですが、奥歯は磨きにくい部位のため、丁寧に磨くように心がけましょう。噛み合わせの面も同じように歯ブラシを斜め45度にして、溝の汚れを掻き出します。
前歯の裏側は汚れを落としにくく、歯石が溜まりやすい部位です。歯ブラシを縦にして掻き出すように磨きます。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用すること
実は歯ブラシだけでは完璧に汚れを落とすことができません。特に歯と歯の間の汚れは歯ブラシの毛先が届かないため、デンタルフロスや歯間ブラシを使って汚れを落とします。
歯ブラシだけで磨くと歯と歯の汚れの除去率は約50%に対し、フロスや歯間ブラシを使うと、汚れの除去率は90%と格段にアップします。
デンタルフロスはすべての部位に使用できます。歯間ブラシは歯と歯の隙間が広い部位に使用してください。ただし歯間ブラシは無理に入れようとすると歯ぐきを傷つけるため、入る部位だけに使用するようにして下さい。
きちんと汚れを落として歯の健康を守りましょう
正しい歯の磨き方についてお話をしました。
きちんと磨いたつもりが、実は磨けていなかったということは案外多いものです。正しいブラッシング法を行うとともに、フロスや歯間ブラシを使った歯間ケアをしっかりと行い、お口の中の健康を守るように心がけましょう。