かわさき歯科医院 院長ブログ

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ボツリヌス菌を打ったら副作用はありますか?

2019年02月19日

歯ぎしりや食いしばりなどを治す方法として、マウスピースを用いた治療法がありますよね。マウスピースを装着するだけで歯ぎしりが改善するため、多くの患者さんが治療を受けています。また、その治療内容から、副作用を不安に感じる人は少ないものです。一方、ボツリヌス菌を使った治療となると、話は変わります。顔にボツリヌス菌の毒素を注射すると聞くと、不安に感じる人の方が多いといえます。ここではそんなボツリヌス菌注射よる副作用について詳しく解説します。

 

 

針の跡が残ることがある

 

ボツリヌス菌注射の副作用としてまず挙げられるのが注射針の跡です。歯ぎしりの改善に使用するボツリヌス菌注射の針は、とても細く、痛みも少ないものとなっていますが、やはり副作用として針の跡が残ることがあるのです。顔の皮膚に針を刺すのですから、それは仕方のないことといえます。ただ、ボツリヌス菌注射による針の跡というのは、とても小さなものであり、なおかつ一時的な症状でしかありませんので、後遺症のような形でいつまでも残存するということはまずありません。

 

 

皮下出血が起こることがある

 

患者さんの皮膚の性質や状態などによっては、ボツリヌス菌注射で皮下出血が起こることがあります。皮下出血とはいわゆる内出血と呼ばれるもので、皮膚の外に血液が出てくることはありません。また、針の細さに比例して、内出血の範囲も非常に狭くなっており「点状出血」と表現することもできます。こちらの症状もまた、施術後に現れる一時的なものとなっていますので、後遺症のような形でいつまでも残ることはありません。内出血は点状なので、お化粧で隠すことも可能です。

 

 

筋肉の過剰な脱力

 

ボツリヌス菌注射は、咬筋などが過剰に働くことを抑える目的で行う治療法です。そのため、基本的には咬筋などの筋肉が脱力するものとお考えください。その作用が過剰となると、過度な筋肉の脱力を生じさせることもあります。これもまたボツリヌス菌注射による副作用の一種といえます。ただ、ボツリヌス菌注射による過度な筋肉の脱力というのは、あくまでひとつのリスクですので、必ず起こるというものではありません。

 

 

まとめ

 

このように、ボツリヌス菌注射では、施術後にいくつかの副作用が現れる可能性があります。いずれも深刻なものではありませんが、患者さんによっては避けたいリスクである場合も考えられますので、事前に把握しておくことをおすすめします。

 

歯ぎしり緩和のためにマウスピースをはめるのと、何が違うの?

2019年02月18日

歯ぎしりや食いしばりの治療では、一般的にマウスピースを使用します。矯正治療でも使うようなマウスピースを装着して、歯ぎしりや食いしばりによる影響を排除します。そこで気になるのがボツリヌス菌注射との違いですよね。いずれも歯ぎしり緩和で行われる治療法ですが、どういった違いがあるのでしょうか。

 

 

ボツリヌス菌注射は筋肉の活動を抑える

 

まず、ボツリヌス菌注射についてですが、使用するのはボツリヌス菌の成分の一部です。ボツリヌス菌には、強力な毒素を産生する能力があり、その一部の成分を使用することで、咬筋に代表される咀嚼筋の活動を抑えます。その結果、歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖が緩和されることがあるのです。もちろん、歯ぎしりや食いしばりの原因がその他にある場合は、ボツリヌス菌注射で症状が緩和されないこともあります。

 

 

 

マウスピースは眠っている時に装着する

 

歯ぎしり緩和のために用いられるマウスピースを専門的には「ナイトガード」と呼んでいます。夜眠っている間に装着するマウスピースであるため、このような名前が付けられています。歯ぎしりは就寝中に生じることが多く、夜間マウスピースを装着することで歯や顎への負担を軽減します。

 

 

マウスピースが歯ぎしりによる圧力を緩和する

 

私たちがものを噛む力というのはとても強いです。男性の場合は、50kg以上の力でものを噛むことができるため、歯や顎にかかる負担は非常に大きくなっています。食事の際中であれば、歯と歯の間に食物が介在しており、咀嚼圧は緩和されていますが、歯ぎしりとなると話は変わります。強力な咬合力が歯や顎関節に直接伝わってしまうため、歯ぎしりが慢性化するといろいろなトラブルが引き起こされるのです。そこでマウスピースを装着することで、歯や顎への負担を軽くすることが可能となります。

 

 

 

歯ぎしり自体が消失していく

 

マウスピースによる治療を続けていくと、歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖自体が消失していく傾向にあります。そういった効果が現れるまでには時間がかかりますが、マウスピースは単に歯ぎしりによる異常な圧力を軽減するためだけの装置ではないことも知っておいてください。

 

 

 

まとめ

 

このように、ボツリヌス菌注射による歯ぎしりの治療では、「噛む」という運動をつかさどる咬筋の働きを抑制します。一方、マウスピースによる治療では、歯ぎしりによる悪影響を軽減するという作用が期待できます。治療を選択する際は、それぞれの違いを理解した上で検討することをおすすめします。

ボツリヌス菌を注射したら、効果はどれくらい持ちますか?

2019年02月14日

歯ぎしりや食いしばり、噛みしめなどに伴う口腔周囲の異常は、ボツリヌス菌注射によって改善することがあります。患部にボツリヌス菌を注射し、筋肉の異常な活動を抑制するなどして痛みなどを緩和できるからです。そんなボツリヌス菌は、一度注射するとどのくらい効果が持続するのか気になりますよね。

 

注射の効果には個人差がある

まず、ボツリヌス菌による注射の効果については、個人差があることを知っておいてください。歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖は、その頻度などが人によって大きく異なるため、ボツリヌス菌による効果も人それぞれで異なってくるからです。また、薬剤に対する感受性も人によって大きく異なるため、ボツリヌス菌による注射の効果も一概に言及することは難しいといえます。

 

 

一般的には半年以上

歯ぎしりや食いしばりの治療でボツリヌス菌注射を使用した場合、一般的には半年以上、その効果が持続するといえます。効果が長持ちするケースでは、1年間、歯ぎしりや食いしばりなどの習癖が緩和され、顎や顎関節の痛みなども改善することがあります。また、ボツリヌス菌による注射を繰り返していくことによって、歯ぎしりや食いしばりなどの症状が発生しにくくなることも珍しくありません。つまり、ボツリヌス菌注射の効果が長くなっていくということですね。そして最終的には、ボツリヌス菌注射が不要となることもあります。

 

効果が現れるまでにかかる時間は?

ボツリヌス菌注射の効果がどのくらい持続するかは、大まかに理解していただけたかと思いますが、さらに気になる点というと、効果が現れるまでにかかる時間ですよね。ボツリヌス菌注射を施術後すぐに効果が現れるのか、あるいはしばらく経ってから歯ぎしりなどの症状が改善されるのか、気になる点かと思います。

この点に関しても、個人差が見られるため一概に言及することは難しいです。施術後すぐに効果が現れる人もいれば、数週間経ってようやく効果が現れる人もいるからです。ですから、ボツリヌス菌注射による効果が現れるのは、施術後、数日から数週間経ってからということができます。注射をしてすぐに効果が現れるのは珍しいケースとお考えください。

 

 

まとめ

このように、ボツリヌス菌注射による効果は、半年以上持つのが一般的です。つまり、年に1~2回施術するだけで、歯ぎしりや食いしばりなどの悪習癖を抑制することができるため、患者さんの負担も比較的少ないといえます。

寝起きに奥歯が痛む場合

2019年02月13日

寝起きに歯が痛くなった経験はありませんか?虫歯だと思って歯医者で診察を受けても「虫歯ではない」と言われた場合、いったいどのようなことが考えられるのでしょうか。

寝起きに奥歯が痛む場合に考えられること

 

・歯軋り

目が覚めたときに奥歯が痛むようであれば、まず考えられるのが「歯軋り」「食いしばり」です。歯軋りは寝ている間無意識に行っている癖で、本人は自覚がありません。歯を強く擦り合わせることで歯に過度な負担がかかり、痛みとなって現れるものと推測されます。

歯軋りの原因は断定できませんが、ストレスが主な原因と言われています。

また疲労が溜まっている場合も、歯の神経を刺激して痛みが出るケースもあります。

歯軋りを行わないようにするためには、歯科医院でマウスピースを作製し、就寝時に装着します。マウスピースをつけることにより上下の歯の接触を防ぎ、歯軋りができないように防御します。

またできるだけ疲労を溜めないこと、またストレス社会のためストレスはどうしてもゼロにはなりませんが、ストレスを発散できるようにしてみましょう。

 

 

  • 被せ物を被せた歯の根の先に膿が溜まっている

以前虫歯治療を行った歯で被せ物が装着されている歯は、根の治療を行った歯です。根の治療の際、細菌が残っている状態や、最終的な薬が根の先端まできちんと詰まっていない場合、根に残った細菌が繁殖し、根の先端に膿が溜まる「根尖性歯周炎」という症状が起こることがあります。

 

被せの下に二次カリエス

 

 

 

  • 歯ではなく、鼻に原因がある場合

上の歯が痛む場合、歯ではなく鼻に原因が隠れていることが考えられます。副鼻腔という空洞に膿が溜まることで、歯に痛みを感じることがあります。レントゲン写真でわかることが大半です。

 

 

 

  • 偏頭痛による痛み

寝起きに頭痛を伴う場合、その痛みが歯の痛みと類似していることがあります。頭がズキズキと脈を打つような痛さがある場合、よく上の犬歯や奥歯に痛みを伴うことがあるようです。

 

 

 

  • 痛みや違和感があったら放置せずに歯科医院を受診すること

歯の痛み=虫歯とは一概に言えません。痛みの原因は様々で、中には治療を必要とするケースや、そのまま様子を見るケースもあります。

大切なことは、「痛みの原因が何か」ということです。寝起きだけだから大丈夫だろう、と放っておくと、思わぬ大きなトラブルに発展する可能性も否定できません。

まずは痛みの原因が何なのか、またどのように対処すべきかも含めて、いちど歯科医院を受診することをお勧めします。

どのあたりに注射をするの?

2019年02月12日

歯ぎしりや食いしばりなどの症状に悩まされている方は、ボツリヌス菌による治療がおすすめです。ボツリヌス菌から抽出されるタンパク質を注射するだけで、歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖を取り除くことが可能だからです。そこで気になるのがボツリヌス菌注射の安全性ですよね。とくに、どのあたりに注射をするのか知りたい方も多いかと思います。ここではそんなボトックス療法の安全性や注射の部位について詳しく解説します。

 

ボトックス注射は厚生労働省のお墨付き

 

ボツリヌス菌の毒素を活用して行う治療と聞くと、なんだかリスクの高い施術法のように思えますが、実際はそんなことはありません。ボトックス注射自体は、かなり以前から医科の分野でも広く活用されており、厚生労働省の承認も受けています。それは歯科の治療に関しても同じです。ですから、ボツリヌス菌の成分を使ったボトックス注射は、基本的に安全といえますのでご安心ください。

 

 

咬筋に注射する

 

ボトックス注射によって歯ぎしりや食いしばりといったブラキシズムを治す場合、薬剤を投与する部位は咬筋となることが多いです。なぜなら、歯ぎしりや食いしばりというのは、口を閉じる際に収縮する咀嚼筋(そしゃくきん)が強く関連しているからです。とりわけ、咬筋(こうきん)の異常な運動が原因となることが多く、ボツリヌス菌の成分を注射することで症状も改善しやすくなります。ちなみに咬筋というのは、頬骨弓から下顎骨の下縁あたりに分布している筋肉で、咀嚼筋の一種です。比較的浅い部分に位置しているため、ボトックス注射も作用させやすいといえます。

 

 

施術時間はどのくらい?

 

ボトックス注射の施術時間は極めて短いです。注射を打つのは5分程度で終わりますが、事前に表面麻酔を作用させたり、施術後しばらく安静にしていただいたりするなど、診療全体としては30分程度となっています。使用する針も極細のものを使用することが多く、痛みなどはほとんど感じません。

 

 

まとめ

 

このように、ボツリヌス菌による歯ぎしりや食いしばりの治療では、注射針を咬筋付近に刺します。感覚などが敏感な顔面への刺入ということもあって、不安に感じられる方も多いかと思いますが、事前に表面麻酔を作用させたり、極細の針を使用したりするなど、痛みに対する配慮は細かくなされていることが多いのでご安心ください。もちろん、人によっては強い痛みを感じることもありますので、そういった場合は笑気麻酔を活用するなどの対策をとるかと思います。

ボツリヌス菌を注射したら、なぜ歯ぎしりや食いしばりが治るのか?

2019年02月1日

歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖は、歯や顎の関節に大きな悪影響を及ぼすことがあります。それだけに、歯科医院では歯ぎしりや食いしばりといったブラキシズムを積極的に取り除くよう働きかけます。そのひとつの方法がボツリヌス菌の注射です。ここではそんなボツリヌス菌の注射によって、なぜ歯ぎしりや食いしばりが治るのかについて詳しく解説します。

 

ブラキシズムってなに?

 

ブラキシズムとは、歯ぎしりや食いしばりに代表されるような習癖で、眠っている間に行っていることが多いです。日中、目が覚めている状態でも、強いストレスがかかったり、何かに集中したりしている時に行ってしまうことも珍しくありません。こういった顎や歯に関わる異常な運動を総称して、ブラキシズムと呼んでいます。

 

筋肉の異常な活動が原因?

 

ブラキシズムの原因は人によってさまざまですが、咬筋などの顎まわりの筋肉が異常な活動を起こすことで発生しているケースが多々みられます。具体的には、ものを噛む際に活動する咬筋が睡眠時や安静時に異常な活動を起こし、歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖を引き起こすことがあるのです。こういったケースの歯ぎしりや食いしばりは、ボツリヌス菌の注射によって改善することが可能といえます。

 

 

ボツリヌス菌注射で歯ぎしりの症状が改善する理由

 

ボツリヌス菌療法に用いられる薬剤というのは、ボツリヌス菌が産生した毒素を調整して作られたものです。ボツリヌス菌の毒素は非常に毒性が強いため、人体に作用すると手足を麻痺させるだけでなく、呼吸運動に必要な筋肉まで麻痺させるため、場合によっては死に至ることもあります。

 

そう聞くと、ボツリヌス菌療法は非常にリスクの高い治療法のように思えますが、その点はご安心ください。ボツリヌス菌注射に用いられるボツリヌス毒素は、人体に致命的な悪影響が及ばないように調整されたものですので、施術後に深刻な副作用が発生することもまずありません。歯ぎしりや食いしばりといった咬筋の異常活動を抑える程度に調整されています。つまり、ボツリヌス菌注射によって歯ぎしりが改善するのは、ボツリヌス毒素が咬筋などを麻痺させるからです。

 

まとめ

 

このように、ボツリヌス菌の注射を行うことで、歯ぎしりや食いしばりなどのブラキシズムを改善することが可能です。もちろん、症例によってはボツリヌス菌注射が無効なこともありますので、気になる方はまず歯科を受診してみてください。

ボツリヌス菌を注射したら、どんな症状が緩和されますか?

2019年01月30日

ボツリヌス菌を注射することによる歯科治療や医科の治療というのは、よく耳にしますよね。ボツリヌス菌を使用することで、いろいろな症状が緩和されるため、多くの歯科医院や病院で活用されています。ただ、実際のところどんな症状が緩和されるのか、よく知らない方が多いかと思います。ここではそんなボツリヌス菌療法によって緩和される症状を詳しく解説します。

 

 

ボツリヌス菌療法ってなに?

 

ボツリヌス菌療法とは、ボツリヌス菌が産生する毒素(ボツリヌストキシン)を使って薬剤を作り、筋肉内に注射する治療法です。身体のいろいろな部位に生じている筋肉の緊張をほぐすことで、さまざまな症状を緩和することができます。

 

 

どんな部位に効果があるの?

 

ボツリヌス菌による注入療法では、まず手足の筋肉のこわばりを緩和することができます。さらに、関節の動きもスムーズにすることができ、全身的な運動が滑らかになります。もちろん、筋肉や関節に生じている痛みなどの症状も緩和することが可能です。高齢者の方で、リハビリテーションを行いやすくするために、ボツリヌス菌療法を実施するケースは多々見られます。それから、歯科においては歯ぎしりや顎関節症の治療で、ボツリヌス菌療法を実施することがあります。

 

 

歯科におけるボツリヌス菌の活用例

 

歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖があると、お口の中や顎関節にさまざまな悪影響が及びます。私たちがものを噛んだり、すり潰したりする力は非常に強いため、歯ぎしりや食いしばりが習慣化すると、歯や筋肉、関節にものすごく大きな負担がかかるからです。そこで有用なのがボツリヌス菌による治療です。ボツリヌス菌を注射することで、筋肉の異常な活動を抑え、痛みや顎関節症の症状などを緩和することができるのです。

 

 

ガミースマイルもボトックスで治せる?

 

ガミースマイルとは、笑った時に歯茎が目立つ症状で、それをコンプレックスに感じている方は少なくありません。ガミースマイルが生じる原因は人それぞれであり、症状の改善方法も患者さんによって異なります。骨格的な原因が大きい場合は、適切な外科処置を施さなければ、ガミースマイルの症状を改善することは難しいです。ただ、ボツリヌス菌によって口腔周囲の筋肉活動を抑制し、歯茎を目立ちにくくさせることも可能な場合があります。ガミースマイルの症状緩和にボツリヌス菌が有効かどうかは、事前の診断が不可欠といえます。

 

 

まとめ

 

このように、ボツリヌス菌を注射することで、歯ぎしりやガミースマイルなど、さまざまな症状を緩和することができます。さらに詳しく知りたい方は、まず歯科医院を受診してみてください。

ボツリヌス菌ってどんな菌?

2019年01月29日

歯科医院では、歯ぎしりなどの治療のために、ボツリヌス菌を使用することがあります。ボツリヌス菌というのは、細菌由来の毒素であるため、いろいろと不安に感じる方も少なくないかと思います。ここではそんなボツリヌス菌について詳しく解説します。

 

ボツリヌス菌の特徴

 

ボツリヌス菌は、特別な細菌というわけではなく、土の中や海、川などで普通に生息しています。ですから、私たちも日常生活を送っている中で、接触する機会がないわけではありません。実際、ボツリヌス菌が産生する毒素によって、健康被害を受けたという報道をたまに耳にしますよね。おそらくそれは、食中毒に関するものであり、特定の食品などを摂取することで、ボツリヌス食中毒を起こしたものと考えられます。

 

ボツリヌス菌による食中毒とは

 

ボツリヌス菌は、土の中や海の中などに存在している細菌ですが、そこから直接、毒素による悪影響を受けることはほとんどありません。ですから、山歩きや遊泳をしていて突然、ボツリヌス菌の毒素で体調を崩すようなことはなく、多くのケースでは、食中毒という形で健康被害が発生します。例えば、ビンや缶などで密閉されている保存食などは、その原因となりやすいです。とくに、魚の発酵食品をレトルトにしたような食品では、ボツリヌス菌が増殖しやすい傾向にあるといえます。ちなみに、ボツリヌス菌というのは、いわゆる「嫌気性細菌」と呼ばれる細菌ですので、酸素のない環境を好みます。さらに、低酸素状態に置かれることによって、毒素を酸性しやすくなるという特徴を持っています。

 

 

ボツリヌス菌の毒素は非常に強い

 

ボツリヌス菌が産生する毒素は、自然界の中でも最強と呼ばれるほど毒性が強いです。それだけに、ボツリヌス食中毒には注意しなければなりません。そこで気になるのが歯科治療で活用するボツリヌス菌ですよね。それだけ強力な毒素を歯科治療で使用しても大丈夫なのか、不安になる気持ちもよくわかります。歯ぎしりなどのブラキシズムを治すために、そんな危険な毒素を使用する必要があるのか疑問に思われるかもしれませんが、実際に使用するのは、毒性を弱めたボツリヌス菌ですので、ご安心ください。ブラキシズムの治療で用いるボツリヌス菌で、重大な健康被害が起こることはまずありません。

 

まとめ

 

このように、ボツリヌス菌はどこにでも存在しているような一般的な細菌ですが、産生される毒が非常に強くなっています。とくに、ボツリヌス菌による食中毒には注意する必要があります。一方、上手くコントロールすれば、歯ぎしりや食いしばりといったブラキシズムの治療に活用することも可能です。

虫歯の最大要因はずばり「砂糖」です

2019年01月15日

虫歯は、ただ単に歯磨きだけが原因とは限りません。虫歯になってしまうのは4つの要因が重なることが原因言われており、その中でも特に「砂糖」の過剰摂取は虫歯になる大きな要因です。そして砂糖の過剰摂取は糖尿病にも繋がってしまいます。今回は、虫歯と糖尿病との意外な関係性、そして予防について考えてみたいと思います。

 

虫歯の最大の要因は「砂糖」

虫歯は、お口の中に虫歯菌が存在することで老若男女問わず、誰でも発症リスクを持ち合わせています。一般的なイメージとして「歯磨きがきちんとできていないから虫歯になってしまう」と思うかもしれませんが、虫歯は歯磨き不足だけで起きるわけではありません。

またよく「甘いものばかり食べていると虫歯になる」と言われます。しかし一概に甘いものが全て虫歯になるわけではありません。

 

虫歯は「虫歯菌」「砂糖」「時間」「歯質」という4つの要因が重なることで起こると考えられています。

 

その中でも虫歯に直結する最大の原因は「砂糖」です。お口の中の細菌は、食べかすの中にある糖分をエサにしてプラークを作り出します。そこへ虫歯菌が棲みついて酸を出し、歯を溶かして虫歯を作り出します。

しかし虫歯菌がお口の中に存在していても、エサとなる糖分つまり砂糖がなければ酸を作り出せません。また同じ甘いものでも、キシリトールなどのショ糖は酸を作り出せないため、虫歯にはなりません。つまり虫歯を作り出すのは「砂糖」であり、「砂糖の摂り過ぎが虫歯を作り出す」と言うのが最も適した言い方になります。

 

 

虫歯予防は糖尿病予防にも繋がる

砂糖の過剰摂取による影響は、歯だけにとどまりません。砂糖の摂り過ぎは食生活の乱れにもなり、生活習慣病という全身の健康に大きく関わります。特に糖尿病は生活習慣病の代表ともいえる疾患であり、合併症が心配される怖い病気です。

 

糖尿病の要因は遺伝の他に、食生活や運動不足、そして肥満などが関わります。特に食生活が乱れると肥満に繋がり、糖尿病を引き起こすリスクが高まってしまうでしょう。これは虫歯にも同様のことが言えます。

 

虫歯を予防するためには歯磨きはもちろんですが、毎日の食生活において砂糖を摂り過ぎないということを意識してください。砂糖の摂取を抑えることで虫歯菌の働きが抑制され、虫歯をつくりにくい状態にします。

そして砂糖を控えた食事を摂ることは、糖尿病の予防にも繋がります。バランスの取れた食事をすること、またよく噛むことで唾液が分泌されると同時に満腹感を得ることができることは、虫歯予防はもちろん、食べすぎを防ぐことで肥満になりにいくい体を作り出します。

 

砂糖を控えたバランスのよい食生活で、歯と体の健康を守ることを心がけてみましょう。

知覚過敏の治療と予防について

2019年01月11日

冷たいものや甘いものがしみる症状が出て歯科医院を受診しても、虫歯とは診断されず、「知覚過敏では」と言われたことはありませんか。知覚過敏は一過性の痛みと言われていますが、そのままにしておくことで自然治癒するものなのでしょうか。

知覚過敏の主な症状と原因

知覚過敏は、冷たいものや甘いものなどが歯に触れることで痛みを感じる症状です。歯ブラシの毛先が触れるだけでも痛みを伴うため、飲食を含めた日常生活が辛く感じてしまうこともあり、知覚過敏で悩まされる方は少なくはありません。

同じような症状でも、虫歯は虫歯菌による細菌感染が原因ですが、知覚過敏は虫歯菌の影響はありません。何らかの原因で象牙質が露出することで、外部からの刺激を受けて痛みを感じることが特徴です。

 

なお加齢や歯周病の影響で歯ぐきが下がってくると、歯の根元の象牙質が露出してしまいます。歯の根元はエナメル質がなく、全て象牙質であるため外部の刺激を受けやすく、知覚過敏の症状が出ることが多くなります。

またホワイトニング後に知覚過敏の症状が出ることがありますが、ホワイトニング後の知覚過敏のほとんどは一過性のものです。しかしもともと知覚過敏の症状がある方は、ホワイトニング後に痛みが強く出る可能性が高いため、オフィスホワイトニングを控えるか、短時間のホームホワイトニングにしておくほうが無難でしょう。

知覚過敏の治療について

知覚過敏は一過性の痛みの場合が多く、一両日中に痛みが消える場合はそのままにしておいてもそれほど大きな問題ではありません。

 

しかし、歯磨きのたびに痛みが出る、虫歯でないのにずっとチクチクした痛みや、飲食のたびにキーンとした痛みが出るような場合は、歯科医院で処置を受けてください。

歯の根元に滲み止めを塗布して様子を見るケースが多いですが、歯軋りなどで歯が磨り減っている場合や根元が抉れてしまっている場合などは、レジンを詰めて治療を行います。

 

また痛みに耐えられず、日常生活に支障をきたしてしまう場合、神経を取り除く治療を行うケースもあります。しかし神経を取り除いてしまうと歯が脆くなり、将来的に歯を失うリスクが高まります。できれば神経は取り除かず温存するほうが望ましいでしょう。

知覚過敏の予防について

知覚過敏はある程度予防することが可能です。歯ぐきの退縮を防ぐためにも乱暴にゴシゴシと歯を磨かないように注意してください。また歯周病にならないように定期健診を受け、予防処置を受けることである程度、象牙質の露出を防ぐことができます。

 

歯軋りでも知覚過敏を起こす場合があるため、歯軋りをしないように自覚することや、就寝時にマウスピースを装着して歯と歯の接触を防ぐことも有効手段です。

知覚過敏用の歯磨き剤を使うこともおすすめです。知覚過敏用の歯磨き剤にはフッ素が含まれているものや、ステインを落としやすく汚れが付着しにくい成分が含まれているものも販売されています。

 

このように歯のケアを行うことが知覚過敏の予防になりますが、虫歯と判別しにくいため、歯に痛みがある場合は早めに歯科医院を受診してください。

 

個別相談

当院では、患者様が抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんな事でも構いませんので、私達にお話しして頂けたらと思います。
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