食べるのが遅い、飲み込めない子供が増えているの?
2019年03月5日
昨今、食事の際に食べるのが遅かったり、上手く飲み込めなかったりするお子さんが増えてきています。上手に食べることは、正常に発育していく上で欠かすことのできないものなので、不安に感じる親御さんも少なくないことかと思います。ここではそんな食べ方や飲み込み方に異常が見られる原因について詳しく解説します。
口腔機能発達不全症という病気
食べ物を上手く咀嚼できない、あるいはスムーズに飲み込むことができないお子さんは、もしかしたら「口腔機能発達不全症」かもしれません。高齢者がかかりやすい「口腔機能低下症」というのは、広く知れ渡っていますが、口腔機能発達不全症については、まだまだ知らない方も多いのではないでしょうか。この病気は、「発達不全」という言葉が入っていることからもわかる通り、発育途上のお子さんがかかるものです。咀嚼する、嚥下する、しゃべるといった口腔機能に異常が認められる病気で、その原因はさまざまです。最近では、この口腔機能発達不全症にかかる子供が急速に増加しているのです。
食べるのが遅くなる理由
口腔機能発達不全症では、食べるのが遅くなるという症状が現れることがあります。これは歯が正常に生えていなかったり、虫歯によって噛み合わせが悪くなっていたりするケースが多々見受けられます。上下の歯が上手く噛み合っていないため、食べ物を噛み砕くのに時間がかかってしまうのです。その結果、食べるのが遅くなるという症状が現れます。また、1回の食事で食べる量や1日に食べる回数などにムラがあると、食事のペースが乱れ、食べるのが遅くなることもあります。
飲み込みにくくなる理由
食事の際に、上手く飲み込めないという症状が認められる場合は、まず「乳児型嚥下(にゅうじがたえんげ)」の残存を疑います。乳児型嚥下とは、ものを飲み込む時に舌が前方へと突出するもので、ミルクを飲んでいる段階であれば正常といえます。けれども、普通の食事をするようになってからも乳児型嚥下が残っていると、上手く飲み込めないという症状へとつながりますので、要注意です。乳児型嚥下の残存は意外に多いものなので、気になる方は一度歯科を受診してみてください。
まとめ
このように、食べるのが遅い、上手く飲み込めないといった症状が現れている場合は、口腔機能発達不全症の疑いがありますので、小児歯科を受診しましょう。口腔機能発達不全症は、お子さんの発育にも大きく影響する病気なので、早期発見と早期治療が重要となります。