鼻疾患があり、いつも口で呼吸している患者さんは、開咬や出っ歯になりやすい?
2019年03月1日
慢性の鼻炎など、常に鼻の炎症に悩まされている人は意外に多いものです。おそらく、アレルギーなども関係しているのでしょう。そういった鼻疾患がある人は、鼻で呼吸がしにくいため、口呼吸になりがちです。口呼吸といえば、ドライマウスの原因となるだけでなく、噛み合わせにも悪影響を及ぼすことがあり、不安に感じている方も多いことでしょう。ここではそんな鼻疾患由来の口呼吸で、開咬や出っ歯が誘発されるのか、という点について詳しく解説します。
鼻疾患があると口呼吸になる理由
今現在、慢性鼻炎に悩まされている人ならよくわかるかと思いますが、鼻炎を発症していると、常に鼻水が出ていたり、鼻が詰まったりすることで鼻呼吸が阻害されます。これは風邪にかかった時を想像すると理解しやすいですね。そういった症状が現れると、私たちは自然と口で呼吸するようになるのです。
口呼吸による歯並びへの悪影響
正常な呼吸法というのは「鼻呼吸」を差しますが、鼻疾患など原因で鼻が塞がれてしまうと口呼吸へ移行します。口呼吸では、空気が口腔内を経由して肺へと運ばれていくため、口腔内が乾きやすくなります。また、乾いた空気が気道を通過することで、風邪などにかかりやすくなる傾向にあります。さらに、歯列への適切な圧力がかからなくなるため、開咬や出っ歯といった不正咬合の原因ともなるのです。そう考えると、口呼吸にはデメリットばかりが目立つこととなります。
鼻疾患を治すことが大切
鼻疾患が良くならない以上、口呼吸も改善されることはありません。鼻が詰まっていたり、鼻に炎症が起こっていたりする状況では、無理に鼻呼吸をすることも難しいからです。ですから、口呼吸によって開咬や出っ歯になるのが怖いという方は、まず鼻疾患をしっかりと治療することが大切です。根本的な原因となっている鼻疾患を放置したまま、口呼吸から鼻呼吸に戻そうとしても、上手くいかないことがほとんどです。また、鼻疾患による口呼吸の誘発というのは、あくまで副次的な症状でしかなく、それ以外にも全身に悪影響を及ぼす主症状が存在しているため、鼻疾患をしっかり治すことは全身の健康にも重要といえます。
まとめ
このように、鼻疾患があると、症状によっては口呼吸の誘発へとつながるため、できるだけ早い段階で治療する必要があります。口呼吸は開咬や出っ歯などの不正咬合だけでなく、ウイルスによる感染症にもかかりやすくなるので、あまりにもデメリットが大きいといえます。