舌癖が及ぼす悪影響は何?
2019年02月22日
舌癖は、小さなお子さんに良く見られるもので、いろいろな面においてデメリットが大きいといわれています。ただ、それが実際どのような面で悪影響を及ぼすのか、あまり明確なイメージが持てない方が多いのではないでしょうか。ここではそんな舌癖が及ぼす悪影響について詳しく解説します。
開咬を引き起こす
舌癖の代表である舌突出癖を放置していると、絶えず口が開いた状態となるだけでなく、前歯の歯並びに悪影響をもたらすことがあります。具体的には、「開咬(かいこう)」と呼ばれる歯列不正を引き起こすことがあるのです。開咬は、上下の前歯が前方へ突き出るなどして、口を閉じた状態でも歯列にすき間が生じている状態を指します。ものを噛んだ時にも当然、上下の歯列には隙間が存在しているため、食べ物を前歯で噛み切るのが難しくなります。
また、笑った時などに歯列間のすき間が目立つと、口元の審美性が著しく低下することにもつながります。さらに、開咬でよく起こりがちなのがドライマウスです。口を閉じた状態でも上下の歯列にすき間があることと、口唇が前歯を覆い隠すことができないということが影響し、安静時でも口が開いた状態となるのです。その結果、お口の中が乾きやすくなり、ドライマウスを発症させます。ちなみに、ドライマウスになると、口腔内の細菌の活動が活発化して、虫歯や歯周病のリスクも上昇するという点も知っておいてください。
出っ歯になる
舌で上の前歯を押し出すような習癖があると、徐々に前歯が前方へと傾いて、出っ歯と呼ばれる歯列不正を引き起こします。もしくは、舌癖によって舌が正常なポジションに安定していないと、上顎歯列への適切な圧力が働かず、「歯列弓狭窄(しれつきゅうきょうさく)」と呼ばれる異常を引き起こすことがあります。歯列弓が狭窄すると、歯がきれいに並ぶためのスペースが不足するため、結果として上顎前突である出っ歯になることも珍しくありません。
受け口になる
舌癖の種類によっては、出っ歯の反対である受け口あるいは下顎前突を引き起こすことがあります。これは舌で下の前歯を押し出したり、上顎骨の成長が阻害されて、相対的に下の顎が前方に突き出したりするためです。ただし、頻度としては出っ歯よりも稀であるといえます。
まとめ
このように、舌癖をいつまでも放置していると、開咬や出っ歯、受け口などの歯列不正だけでなく、虫歯や歯周病のリスクを上昇させるドライマウスまで引き起こすことがあるため注意が必要です。その他、舌癖が及ぼす悪影響についてさらに詳しく知りたい方は、歯科医院を受診してみてください。