知覚過敏の治療と予防について
2019年01月11日
冷たいものや甘いものがしみる症状が出て歯科医院を受診しても、虫歯とは診断されず、「知覚過敏では」と言われたことはありませんか。知覚過敏は一過性の痛みと言われていますが、そのままにしておくことで自然治癒するものなのでしょうか。
知覚過敏の主な症状と原因
知覚過敏は、冷たいものや甘いものなどが歯に触れることで痛みを感じる症状です。歯ブラシの毛先が触れるだけでも痛みを伴うため、飲食を含めた日常生活が辛く感じてしまうこともあり、知覚過敏で悩まされる方は少なくはありません。
同じような症状でも、虫歯は虫歯菌による細菌感染が原因ですが、知覚過敏は虫歯菌の影響はありません。何らかの原因で象牙質が露出することで、外部からの刺激を受けて痛みを感じることが特徴です。
なお加齢や歯周病の影響で歯ぐきが下がってくると、歯の根元の象牙質が露出してしまいます。歯の根元はエナメル質がなく、全て象牙質であるため外部の刺激を受けやすく、知覚過敏の症状が出ることが多くなります。
またホワイトニング後に知覚過敏の症状が出ることがありますが、ホワイトニング後の知覚過敏のほとんどは一過性のものです。しかしもともと知覚過敏の症状がある方は、ホワイトニング後に痛みが強く出る可能性が高いため、オフィスホワイトニングを控えるか、短時間のホームホワイトニングにしておくほうが無難でしょう。
知覚過敏の治療について
知覚過敏は一過性の痛みの場合が多く、一両日中に痛みが消える場合はそのままにしておいてもそれほど大きな問題ではありません。
しかし、歯磨きのたびに痛みが出る、虫歯でないのにずっとチクチクした痛みや、飲食のたびにキーンとした痛みが出るような場合は、歯科医院で処置を受けてください。
歯の根元に滲み止めを塗布して様子を見るケースが多いですが、歯軋りなどで歯が磨り減っている場合や根元が抉れてしまっている場合などは、レジンを詰めて治療を行います。
また痛みに耐えられず、日常生活に支障をきたしてしまう場合、神経を取り除く治療を行うケースもあります。しかし神経を取り除いてしまうと歯が脆くなり、将来的に歯を失うリスクが高まります。できれば神経は取り除かず温存するほうが望ましいでしょう。
知覚過敏の予防について
知覚過敏はある程度予防することが可能です。歯ぐきの退縮を防ぐためにも乱暴にゴシゴシと歯を磨かないように注意してください。また歯周病にならないように定期健診を受け、予防処置を受けることである程度、象牙質の露出を防ぐことができます。
歯軋りでも知覚過敏を起こす場合があるため、歯軋りをしないように自覚することや、就寝時にマウスピースを装着して歯と歯の接触を防ぐことも有効手段です。
知覚過敏用の歯磨き剤を使うこともおすすめです。知覚過敏用の歯磨き剤にはフッ素が含まれているものや、ステインを落としやすく汚れが付着しにくい成分が含まれているものも販売されています。
このように歯のケアを行うことが知覚過敏の予防になりますが、虫歯と判別しにくいため、歯に痛みがある場合は早めに歯科医院を受診してください。