2019年01月30日
ボツリヌス菌を注射することによる歯科治療や医科の治療というのは、よく耳にしますよね。ボツリヌス菌を使用することで、いろいろな症状が緩和されるため、多くの歯科医院や病院で活用されています。ただ、実際のところどんな症状が緩和されるのか、よく知らない方が多いかと思います。ここではそんなボツリヌス菌療法によって緩和される症状を詳しく解説します。
ボツリヌス菌療法ってなに?
ボツリヌス菌療法とは、ボツリヌス菌が産生する毒素(ボツリヌストキシン)を使って薬剤を作り、筋肉内に注射する治療法です。身体のいろいろな部位に生じている筋肉の緊張をほぐすことで、さまざまな症状を緩和することができます。
どんな部位に効果があるの?
ボツリヌス菌による注入療法では、まず手足の筋肉のこわばりを緩和することができます。さらに、関節の動きもスムーズにすることができ、全身的な運動が滑らかになります。もちろん、筋肉や関節に生じている痛みなどの症状も緩和することが可能です。高齢者の方で、リハビリテーションを行いやすくするために、ボツリヌス菌療法を実施するケースは多々見られます。それから、歯科においては歯ぎしりや顎関節症の治療で、ボツリヌス菌療法を実施することがあります。
歯科におけるボツリヌス菌の活用例
歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖があると、お口の中や顎関節にさまざまな悪影響が及びます。私たちがものを噛んだり、すり潰したりする力は非常に強いため、歯ぎしりや食いしばりが習慣化すると、歯や筋肉、関節にものすごく大きな負担がかかるからです。そこで有用なのがボツリヌス菌による治療です。ボツリヌス菌を注射することで、筋肉の異常な活動を抑え、痛みや顎関節症の症状などを緩和することができるのです。
ガミースマイルもボトックスで治せる?
ガミースマイルとは、笑った時に歯茎が目立つ症状で、それをコンプレックスに感じている方は少なくありません。ガミースマイルが生じる原因は人それぞれであり、症状の改善方法も患者さんによって異なります。骨格的な原因が大きい場合は、適切な外科処置を施さなければ、ガミースマイルの症状を改善することは難しいです。ただ、ボツリヌス菌によって口腔周囲の筋肉活動を抑制し、歯茎を目立ちにくくさせることも可能な場合があります。ガミースマイルの症状緩和にボツリヌス菌が有効かどうかは、事前の診断が不可欠といえます。
まとめ
このように、ボツリヌス菌を注射することで、歯ぎしりやガミースマイルなど、さまざまな症状を緩和することができます。さらに詳しく知りたい方は、まず歯科医院を受診してみてください。
2019年01月29日
歯科医院では、歯ぎしりなどの治療のために、ボツリヌス菌を使用することがあります。ボツリヌス菌というのは、細菌由来の毒素であるため、いろいろと不安に感じる方も少なくないかと思います。ここではそんなボツリヌス菌について詳しく解説します。
ボツリヌス菌の特徴
ボツリヌス菌は、特別な細菌というわけではなく、土の中や海、川などで普通に生息しています。ですから、私たちも日常生活を送っている中で、接触する機会がないわけではありません。実際、ボツリヌス菌が産生する毒素によって、健康被害を受けたという報道をたまに耳にしますよね。おそらくそれは、食中毒に関するものであり、特定の食品などを摂取することで、ボツリヌス食中毒を起こしたものと考えられます。
ボツリヌス菌による食中毒とは
ボツリヌス菌は、土の中や海の中などに存在している細菌ですが、そこから直接、毒素による悪影響を受けることはほとんどありません。ですから、山歩きや遊泳をしていて突然、ボツリヌス菌の毒素で体調を崩すようなことはなく、多くのケースでは、食中毒という形で健康被害が発生します。例えば、ビンや缶などで密閉されている保存食などは、その原因となりやすいです。とくに、魚の発酵食品をレトルトにしたような食品では、ボツリヌス菌が増殖しやすい傾向にあるといえます。ちなみに、ボツリヌス菌というのは、いわゆる「嫌気性細菌」と呼ばれる細菌ですので、酸素のない環境を好みます。さらに、低酸素状態に置かれることによって、毒素を酸性しやすくなるという特徴を持っています。
ボツリヌス菌の毒素は非常に強い
ボツリヌス菌が産生する毒素は、自然界の中でも最強と呼ばれるほど毒性が強いです。それだけに、ボツリヌス食中毒には注意しなければなりません。そこで気になるのが歯科治療で活用するボツリヌス菌ですよね。それだけ強力な毒素を歯科治療で使用しても大丈夫なのか、不安になる気持ちもよくわかります。歯ぎしりなどのブラキシズムを治すために、そんな危険な毒素を使用する必要があるのか疑問に思われるかもしれませんが、実際に使用するのは、毒性を弱めたボツリヌス菌ですので、ご安心ください。ブラキシズムの治療で用いるボツリヌス菌で、重大な健康被害が起こることはまずありません。
まとめ
このように、ボツリヌス菌はどこにでも存在しているような一般的な細菌ですが、産生される毒が非常に強くなっています。とくに、ボツリヌス菌による食中毒には注意する必要があります。一方、上手くコントロールすれば、歯ぎしりや食いしばりといったブラキシズムの治療に活用することも可能です。
2019年01月15日
虫歯は、ただ単に歯磨きだけが原因とは限りません。虫歯になってしまうのは4つの要因が重なることが原因言われており、その中でも特に「砂糖」の過剰摂取は虫歯になる大きな要因です。そして砂糖の過剰摂取は糖尿病にも繋がってしまいます。今回は、虫歯と糖尿病との意外な関係性、そして予防について考えてみたいと思います。
虫歯の最大の要因は「砂糖」
虫歯は、お口の中に虫歯菌が存在することで老若男女問わず、誰でも発症リスクを持ち合わせています。一般的なイメージとして「歯磨きがきちんとできていないから虫歯になってしまう」と思うかもしれませんが、虫歯は歯磨き不足だけで起きるわけではありません。
またよく「甘いものばかり食べていると虫歯になる」と言われます。しかし一概に甘いものが全て虫歯になるわけではありません。
虫歯は「虫歯菌」「砂糖」「時間」「歯質」という4つの要因が重なることで起こると考えられています。
その中でも虫歯に直結する最大の原因は「砂糖」です。お口の中の細菌は、食べかすの中にある糖分をエサにしてプラークを作り出します。そこへ虫歯菌が棲みついて酸を出し、歯を溶かして虫歯を作り出します。
しかし虫歯菌がお口の中に存在していても、エサとなる糖分つまり砂糖がなければ酸を作り出せません。また同じ甘いものでも、キシリトールなどのショ糖は酸を作り出せないため、虫歯にはなりません。つまり虫歯を作り出すのは「砂糖」であり、「砂糖の摂り過ぎが虫歯を作り出す」と言うのが最も適した言い方になります。
虫歯予防は糖尿病予防にも繋がる
砂糖の過剰摂取による影響は、歯だけにとどまりません。砂糖の摂り過ぎは食生活の乱れにもなり、生活習慣病という全身の健康に大きく関わります。特に糖尿病は生活習慣病の代表ともいえる疾患であり、合併症が心配される怖い病気です。
糖尿病の要因は遺伝の他に、食生活や運動不足、そして肥満などが関わります。特に食生活が乱れると肥満に繋がり、糖尿病を引き起こすリスクが高まってしまうでしょう。これは虫歯にも同様のことが言えます。
虫歯を予防するためには歯磨きはもちろんですが、毎日の食生活において砂糖を摂り過ぎないということを意識してください。砂糖の摂取を抑えることで虫歯菌の働きが抑制され、虫歯をつくりにくい状態にします。
そして砂糖を控えた食事を摂ることは、糖尿病の予防にも繋がります。バランスの取れた食事をすること、またよく噛むことで唾液が分泌されると同時に満腹感を得ることができることは、虫歯予防はもちろん、食べすぎを防ぐことで肥満になりにいくい体を作り出します。
砂糖を控えたバランスのよい食生活で、歯と体の健康を守ることを心がけてみましょう。
2019年01月11日
冷たいものや甘いものがしみる症状が出て歯科医院を受診しても、虫歯とは診断されず、「知覚過敏では」と言われたことはありませんか。知覚過敏は一過性の痛みと言われていますが、そのままにしておくことで自然治癒するものなのでしょうか。
知覚過敏の主な症状と原因
知覚過敏は、冷たいものや甘いものなどが歯に触れることで痛みを感じる症状です。歯ブラシの毛先が触れるだけでも痛みを伴うため、飲食を含めた日常生活が辛く感じてしまうこともあり、知覚過敏で悩まされる方は少なくはありません。
同じような症状でも、虫歯は虫歯菌による細菌感染が原因ですが、知覚過敏は虫歯菌の影響はありません。何らかの原因で象牙質が露出することで、外部からの刺激を受けて痛みを感じることが特徴です。
なお加齢や歯周病の影響で歯ぐきが下がってくると、歯の根元の象牙質が露出してしまいます。歯の根元はエナメル質がなく、全て象牙質であるため外部の刺激を受けやすく、知覚過敏の症状が出ることが多くなります。
またホワイトニング後に知覚過敏の症状が出ることがありますが、ホワイトニング後の知覚過敏のほとんどは一過性のものです。しかしもともと知覚過敏の症状がある方は、ホワイトニング後に痛みが強く出る可能性が高いため、オフィスホワイトニングを控えるか、短時間のホームホワイトニングにしておくほうが無難でしょう。
知覚過敏の治療について
知覚過敏は一過性の痛みの場合が多く、一両日中に痛みが消える場合はそのままにしておいてもそれほど大きな問題ではありません。
しかし、歯磨きのたびに痛みが出る、虫歯でないのにずっとチクチクした痛みや、飲食のたびにキーンとした痛みが出るような場合は、歯科医院で処置を受けてください。
歯の根元に滲み止めを塗布して様子を見るケースが多いですが、歯軋りなどで歯が磨り減っている場合や根元が抉れてしまっている場合などは、レジンを詰めて治療を行います。
また痛みに耐えられず、日常生活に支障をきたしてしまう場合、神経を取り除く治療を行うケースもあります。しかし神経を取り除いてしまうと歯が脆くなり、将来的に歯を失うリスクが高まります。できれば神経は取り除かず温存するほうが望ましいでしょう。
知覚過敏の予防について
知覚過敏はある程度予防することが可能です。歯ぐきの退縮を防ぐためにも乱暴にゴシゴシと歯を磨かないように注意してください。また歯周病にならないように定期健診を受け、予防処置を受けることである程度、象牙質の露出を防ぐことができます。
歯軋りでも知覚過敏を起こす場合があるため、歯軋りをしないように自覚することや、就寝時にマウスピースを装着して歯と歯の接触を防ぐことも有効手段です。
知覚過敏用の歯磨き剤を使うこともおすすめです。知覚過敏用の歯磨き剤にはフッ素が含まれているものや、ステインを落としやすく汚れが付着しにくい成分が含まれているものも販売されています。
このように歯のケアを行うことが知覚過敏の予防になりますが、虫歯と判別しにくいため、歯に痛みがある場合は早めに歯科医院を受診してください。