知覚過敏が起きる原因
2018年12月25日
虫歯でないのに冷たいものや甘いものが滲みる場合、知覚過敏が考えられます。では知覚過敏はなぜ起こってしまうのでしょうか。今回は知覚過敏の原因を中心にお話をしたいと思います。
知覚過敏とは
知覚過敏とは、冷たいものや甘いもの、歯ブラシの毛先が触れたときなどに感じる一過性の痛みです。痛みを伴って受診しても、虫歯や神経の炎症などの所見がない場合、一般的に知覚過敏と診断されます。
痛みを感じるのは、神経を覆っている象牙質です。歯の表面のエナメル質は痛みなどの感覚を感じることはありません。しかし何らかの原因で象牙質が露出してしまうと、外からの刺激が神経に伝わり、痛みとして感じるようになります。
痛みを感じるのは、虫歯が象牙質まで達したときです。しかし虫歯ではないのに滲みる、痛むなどの症状が見られる場合、露出した象牙質に刺激が加わって痛みを感じるため、知覚過敏と診断されることが多いようです。
知覚過敏の原因について
ではなぜ知覚過敏が起きてしまうのでしょうか。主な原因を以下に挙げてみます。
・歯肉の退縮
過度のブラッシングや加齢により、歯肉が退縮してしまうと歯の根元が露出してしまいます。歯の根元はエナメル質がなく、歯ぐきが下がると象牙質がむき出しになってしまうのです。この状態で冷たいものなどの刺激が加わると、一過性の痛みとして感じることがあります。
・歯石除去後
歯の表面や根元に歯石が大量に付着している場合や硬い歯石が付着している場合、歯石除去後に一時的に痛みを感じることがあります。これは歯石に覆われていた根元が、歯石除去を行ったことで露出されたためです。
・歯の破折
口元をぶつけて前歯を折ってしまった際、象牙質が露出してしまうことがあります。象牙質が露出することで知覚過敏を起こすことがあります。
・歯の磨耗や酸蝕症によるもの
歯軋りなどを断続的に行うことで歯が磨耗し、象牙質が露出してしまうことがあります。また酸性の強いものを頻繁に摂取することで歯の表面が溶ける「酸蝕症」も象牙質が露出するため、知覚過敏が起こってしまうことがあります。
・ホワイトニングによるもの
オフィスホワイトニングやホームホワイトニングなど、ホワイトニングを行ったあとに知覚過敏が起こる場合があります。これはホワイトニングで使う薬剤による影響と考えられますが。そのほとんどは一過性のものです。なおホームホワイトニングを行うときは、決められた装着時間を必ず守るようにしてください。長時間ホワイトニングジェルを流し込んだマウスピースを装着すると、ひどい痛みに襲われることがあります。特に濃度が高いものは、必ず装着時間を守るようにしてください。
知覚過敏の治療法および予防について
知覚過敏は病変ではなく、あくまで一過性の痛みです。そのため決定的な治療法はなく、歯にしみ止めを塗布する、あるいはレジンで露出した部分を埋めるといった処置で痛みを抑えます。なおあまりにも痛みがひどい場合は、神経を取り除くこともありますが、よほどのことでない限り神経を除去することはありません。
知覚過敏の予防法は、歯周病を悪化させない、ゴシゴシと力強くブラッシングしないことが中心です。また歯軋りの癖がある人は、歯軋りをしないようにする、ホワイトニングの際はしみ止めを塗ってからホワイトニングを行うことなどで、ある程度知覚過敏を予防することは可能となるでしょう。