実は悩んでいる人が多い口臭。その原因のひとつ「舌苔」
2018年12月13日
口臭は数あるエチケットの中で最も気をつけなければならないものであり、最近では口臭対策グッズもたくさん販売されています。しかしいくら口臭対策を行っても、根本的な原因を取り除かないと、いつまでも口臭が改善されません。その原因のひとつに舌に白い苔のようなものが付着する「舌苔」があります。今回は舌苔についてお話いたします。
舌苔とは?
「舌苔」は「ぜったい」と呼び、舌に付着した白い汚れのことを言います。
この舌苔は、舌の表面や舌乳頭と呼ばれる突起の間に付着した細菌や、はがれ落ちた粘膜細胞、食べかすなどの塊です。見た目が白い苔のように見えることから「舌苔」と言われています。
舌苔は細菌の温床であり、口臭の大きな原因です。舌苔をそのまま放置しておくと強い口臭だけでなく、誤嚥性肺炎や味覚障害など、様々な口腔内トラブルの原因になってしまいます。
舌苔が付着する原因について
鏡を見ながらお口を開けて、舌を出してみてください。舌の奥のほうに、白くなっている部分はありませんか?舌苔は、主に高齢者によく見られがちですが、健康な人でも舌苔が付着することがあります。ではどのようなことが原因で舌苔は付着してしまうのでしょうか。
- 口腔内の状態が不衛生
- 唾液分泌量が少ない
- 口腔内が乾燥気味
- 胃腸の調子が悪い
舌苔が付く主な原因は、お口の中の衛生状態が悪いことです。お口の中は細菌がたくさん棲みついており、歯みがきがきちんと行われていないと細菌は爆発的に繁殖して舌苔ができやすくなってしまいます。
また唾液分泌量が少なく、お口の中が乾燥すると舌苔が付きやすくなります。唾液は細菌を洗い流して増殖を防ぐ働きがあります。しかし唾液の分泌が少なくなるとお口の中が乾燥して細菌が急増します。
高齢者に舌苔が多いのは、加齢ととともに唾液分泌量が減るためです。また持病などで薬を飲んでいる場合も、舌苔が作られてしまうことがあります。飲んでいる薬の副作用により、唾液分泌量が少なくなることがあるため、舌苔ができる原因となってしまいます。
そして胃腸の具合が悪いときも、舌苔ができやすくなります。胃腸の調子が悪くなると免疫力が落ちて、細菌が繁殖しやすくなるため舌苔が付きやすくなると言われています。
舌苔が付かないようにするために
舌苔が付かないようにするためには、まず口腔内が不衛生にならないようにすることです。毎日の歯みがきで、お口の中を清潔に保つことが大切です。
また唾液をたっぷりと出すようにしっかりと噛むことも大切です。噛み応えのあるものや、食後のキシリトールガムなどでよく噛んで、唾液の分泌を促すようにしましょう。
そして付いてしまった舌苔を取ることで、口臭の予防ができます。ここで注意したいのは、歯ブラシで強くゴシゴシと磨かないことです。歯ブラシで強く磨くと、舌の粘膜がはがれてしまうため、かえって舌苔が付着しやすくなります。また舌の粘膜を痛める原因にもなるため、歯ブラシを使ったケアは禁物です。
舌専用のブラシやジェルなどで軽くこすって落とすようにして下さい。ガーゼで軽く拭うこともおすすめです。