マイクロスコープの必要性
2018年10月19日
歯科治療は非常に精密な治療です。そのため肉眼ではごく小さな異変を見落としてしまうことも否定できません。歯科用マイクロスコープはこのような微細な病変を発見し、より精密で正確な治療を行うために使われます。今回は、マイクロスコープについてお話をいたします。
マイクロスコープとは
マイクロスコープとは拡大顕微鏡のことで、肉眼の3~20倍まで拡大することができる装置です。医科においてマイクロスコープはよく使われていますが、精密な治療を必要とする歯科治療においてもマイクロスコープを導入する歯科医院が増えてきました。
目で見てすぐわかるような病変ならともかく、肉眼では発見が難しい病変は意外と多いものです。小さなヒビや歯根破折、う蝕、精密根管治療などは病変の拡大や悪化に繋がることがあるため、マイクロスコープを使うことで見落としを防ぎ、正確な診断とともに精密な治療を行うことが可能となります。
根管治療におけるマイクロスコープの必要性について
数ある歯科治療の中でも、根管治療は日常的に行われる治療です。しかし根管治療は大変精密な治療技術を必要としており、根管治療の成功と失敗はその後の歯の予後に非常に大きく関わります。
根の形状は患者さんによって異なり、中にはとても複雑な形状をしたものもあります。根管治療はほんの少しの細菌の取り残しも許されません。しかし残念ながら、根管治療の再発率はそれほど低いわけではないのです。というのも、根管治療を行う歯科医師の多くは、長年の経験と感覚により行われています。そのため熟練の技術を持っていても、根の形状などにより細菌の取り残しが起こることは否めないのです。
このようなことから、根管治療こそマイクロスコープを使うべきと考えられます。マイクロスコープを使うことで視野が広がり、根の中の状況を正確に把握しながら治療を行うため、根管治療の成功率が格段に上がり、再発率を抑えることが可能となります。
歯科治療の成功率を高めるマイクロスコープを導入した歯科医院を選ぶとベスト
精度の高い治療を受けることができるために必要なマイクロスコープですが、日本国内で導入している歯科医院はまだまだ少なく、全体の5%程度と言われています。
しかしながら、精密な歯科治療の重要性という観点から少しずつマイクロスコープを導入する歯科医院が増えつつあります。ホームページなどで検索するとマイクロスコープを導入しているかどうかある程度わかります。