虫歯よりも怖い!歯周病は痛みがないからほっておくと歯が抜け落ちる原因になります!
2018年08月31日
ふと気が付くと歯がグラグラして今にも抜けそう、あるいは抜けてしまったという悲しい経験はありませんか?歯を失う原因は今や虫歯ではなく、歯周病だと言われています。
ではなぜ歯周病になると歯が抜け落ちてしまうのでしょうか。
歯周病とは
歯周病という言葉をいちどは聞いたことがあるでしょう。年配の方は「歯槽膿漏」という言葉の方が聞き慣れているかもしれません。歯周病も歯槽膿漏も、呼び方が違うだけで症状は同じです。
歯周病とは、お口のなかに存在する歯周病菌による感染症です。主な症状は歯ぐきの腫れや出血といった歯ぐきの炎症で、悪化するにつれて口臭がひどくなる、歯がグラグラ揺れ動く、そして抜け落ちるといった症状が起こります。
歯肉炎と歯周炎の違い
ではなぜ歯周病になるのでしょうか。歯周病の主な症状は歯ぐきの腫れと出血です。しかしこの症状は歯肉炎にも起こり、小中学生によく見られる症状です。
歯周病とは、歯肉や歯周組織などに起こる炎症の総称で、歯肉炎と歯周炎に分類されています。
成人になるにつれ、お口の中の歯周病菌が活発になり歯肉炎からやがて歯周炎へと進行し、放っておくと重症化してしまいます。
では歯肉炎と歯周炎はどう違うのでしょうか。それは炎症が歯肉だけに留まっているのか、それとも歯を支える歯槽骨など歯周組織まで広がっているのかにより、歯肉炎と歯周炎に分けられます。
歯周炎になると、歯と歯ぐきの境目の歯周ポケット数値が高くなり、炎症が歯槽骨へ広がってしまいます。軽度歯周炎の歯周ポケット数値は3~4ミリ、中度歯周炎では4~6ミリ、重度歯周炎になると6ミリ以上となります。
歯肉炎の歯周ポケット数値は2~3ミリ程度のため、歯周ポケット数値が歯肉炎と歯周炎の違いのひとつの目安となります。
なぜ歯周病になると歯が抜けてしまうのか?
ではなぜ歯周病になるのでしょうか。歯肉炎、歯周炎いずれも原因はプラークです。
プラークとは、歯と歯の間などに残っている食べかすを栄養素にして細菌が作り出す、ネバネバとした細菌の塊です。このプラークの中に棲みついた歯周病菌が毒素を放出し、歯ぐきなどに炎症を起こします。
そして歯周ポケットに汚れが溜まるとプラークが増え、歯周病菌が奥へ入り込んで歯槽骨を吸収し始めます。歯周病菌は空気が届きにくい場所を好むため、歯周ポケットの奥深くへ入り込むことでさらに歯周ポケットを深くします。そのためますます歯槽骨は吸収され、歯を支えることが困難となりグラグラと揺れ始め、やがて抜け落ちてしまいます。
歯周病で歯が抜け落ちないためには
歯周病は今では虫歯よりも歯を失う可能性が高い病気と言われています。それはなぜかと言うと、虫歯と違って歯周病は痛みをあまり感じることなく症状が進行するからです。
歯ぐきの腫れや出血では痛みをほとんど伴いません。また歯肉炎の場合は適切なブラッシングで改善することが可能ですが、歯周炎に進行すると、家庭でのブラッシングだけでは進行を防ぐことが難しくなり、歯科医院で歯石除去やクリーニングが必要となります。
痛みがないからとそのままにしておくと、歯周病は必ず進行します。
大切な歯を失わないためにも、家庭でのブラッシングだけでなく歯科医院で適切な処置を受けること、そして定期検診を受診することが非常に重要です。