歯が折れてしまったらすぐに○○に浸けてください!
2018年08月30日
もし不意のアクシデントや事故などで歯が折れたり抜けたりしたらどうしよう・・・とふと考えたことはありませんか?今回は歯が抜けた場合や折れた場合の対処法についてご説明したいと思います。
歯が抜けた、折れたなどのアクシデントが起こったら?
どんなに気を付けていても、アクシデントは起こってしまいがちです。階段から落ちた、何かに口元をぶつけた、運動会やスポーツ試合の最中に転倒してしまった、事故・・・など日常生活はアクシデントと背中合わせです。
そんなアクシデントの際に歯が折れたり抜けたりした場合の応急処置は、まず折れた歯や抜けた歯を「牛乳」に浸すことです。
このようなアクシデントが起きた時、つい気が動転してしまい「歯を清潔にしておかなければ」と折れた歯を水で洗ってしまうかもしれませんが、折れた歯を水で洗うことは厳禁です。
まず慌てずに折れた歯を牛乳に浸すようにして下さい。幼稚園や学校などは、歯を保存する「歯牙保存液」という液体が常備してあると思います。
しかしご家庭で保存液を常備していることはあまりないため、まずは落ち着いて牛乳に浸し、早急に歯科医院を受診するようにして下さい。
すぐに牛乳に浸して保存し、すぐに歯科医院で処置を受けることが歯を残せるか否かの分かれ道になります。
と言うのも、歯には「歯根膜」という薄い組織が付着しており、この歯根膜を残すことが非常に大切になるからです。最初の対処次第では、歯を戻して残すことができる可能性が高くなります。
また折れてしまった場合、歯の神経や血管が入っている「歯髄(しずい)」が露出した状態となっており、細菌感染を起こしやすくなっています。すぐに値の治療である根管治療を行い、歯髄の内部の細菌を取り除いてきれいにする治療を行います。
状態によっては歯の神経が死んでしまうことがあります。
なぜ牛乳に浸すのか?
話は戻りますが、歯が折れてしまった場合、なぜ水ではなく牛乳に浸すのでしょうか。その理由は浸透圧です。歯の周りにある歯根膜は大変デリケートで、異なる浸透圧の液体に浸すことで歯根膜が破壊されてしまうのです。
水の場合、浸透圧が非常に低いため水に長時間浸してしまうと歯根膜が破壊されてしまいます。
牛乳は浸透圧が体液に近いため歯根膜を破壊することなく保存することが可能なのです。
歯が折れたら早急に歯科医院を受診すること
アクシデントで歯が折れたり抜けたりした場合、歯を牛乳か歯牙保存液に浸して早急に歯科医院を受診するようにして下さい。くれぐれも折れた部位を指や舌で触ったり、自分で勝手に消毒などを行わないで下さい。細菌感染の原因となってしまいます。
痛みがある場合は痛み止めを飲んでも問題はありません。