冷たいものを口に入れたらしみる!それって虫歯?それもと知覚過敏?
2018年08月29日
冷たいものを口に入れたときに歯がしみると、虫歯か知覚過敏のどちらなのか、自分では判断がつきにくいものです。同じような症状でも虫歯と知覚過敏では原因が異なります。では虫歯と知覚過敏はどのような違いがあるのでしょうか。今回は虫歯と知覚過敏の違いについてお話をしたいと思います。
虫歯と知覚過敏それぞれの原因について
虫歯と知覚過敏は、冷たいものを口に入れたときにしみる、痛みを感じるなど似たような症状が起こります。では虫歯と知覚過敏の原因をみてみましょう。
・虫歯の原因
虫歯は、虫歯菌が作り出す酸によって歯が溶ける病気です。歯の表面が少し溶けた程度では痛みは感じません。しかし虫歯がエナメル質の内側の象牙質まで達した場合、冷たいものを口にすると歯がしみるなどの症状が出始めます。
・知覚過敏の原因
知覚過敏とは、何らかの原因でエナメル質が傷つき、内部の象牙質が露出することで歯が受ける刺激を「しみる」「痛い」として感じることです。
象牙質は歯の神経に近い組織であり、外部から刺激を受けた場合、神経に伝達されることで自覚症状として現れます。
象牙質が露出する原因には色々ありますが、まず考えられることは強すぎるブラッシングです。きれいに歯を磨こうとするあまり強くゴシゴシと磨きすぎると歯ぐきが下がり、歯の根元の象牙質が露出してしまいます。歯の根元はエナメル質が薄く、象牙質が刺激を受けやすいため痛みやしみる症状を感じてしまいます。
また歯周病で歯ぐきが下がってしまうと歯の根元が露出しやすくなるため、知覚過敏の症状が起きやすくなります。
虫歯でないのに歯が溶ける「酸蝕症」や歯の摩耗も、知覚過敏の症状が出やすくなります。エナメル質が薄くなり、象牙質が露出してしまうため冷たいものや甘いものなどを口にしたときに痛みを感じてしまいます。
虫歯と知覚過敏の違い
では虫歯と知覚過敏それぞれを比較しながら見分け方をお伝えします。
・痛みについて
虫歯と知覚過敏の最も大きな違いは、虫歯は虫歯菌による細菌感染、知覚過敏は細菌性ではないことです。
虫歯はそのまま放置しておくとどんどん悪化してしまいます。虫歯が象牙質まで進行すると冷たいものや甘いものがしみるようになり、そのまま治療を受けずにいると虫歯が神経まで達して激しい痛みを伴い、何もしていなくてもズキズキと痛むようになります。
いっぽう知覚過敏は、外からの刺激を受けた時だけ症状が出ることが特徴です。冷たいものや酸味の強いものを口に入れたとき、冷たい風にあたったとき、歯みがきのときなど一時的に痛みを感じ、虫歯のように痛みが持続しません。これが虫歯との最大の違いです。
・見た目について
虫歯による痛みの場合、虫歯が象牙質まで達しているため歯が黒くなっている、あるいは穴が開いているなど見た目にも虫歯だとわかります。
これに対し知覚過敏は虫歯のように黒くなっていたり穴が開いたりしていません。しかし歯ぐきが下がって根元が露出している場合、歯が長くなったように見えます。
・治療法について
虫歯と知覚過敏では治療法が異なります。虫歯の場合、原因となっている虫歯部分を取り除いてレジンや詰め物で修復します。
知覚過敏は、しみ止めを塗る方法が一般的ですが、エナメル質が削れてしまっている場合や酸蝕症などで歯の先端が擦り減っているときは、虫歯治療で用いられるレジンを使って修復し、象牙質の露出を防ぐ治療を行います。
痛みを感じたら、早めに歯科医院へ
虫歯と知覚過敏の違いについてお話しました。この二つの症状は似ていても、原因が全く異なります。痛みの持続や見た目で知覚過敏かもしれないから大丈夫、とそのままにしておくのはよくありません。正しい診断と適切な治療を行うためにも、痛みを感じたらなるべく早く歯科医院を受診するようにしてください。