受け口は見た目だけでなく、噛み合わせにも影響があります
2018年08月8日
お子さまの歯並びや噛み合わせは、保護者の方によってとても気になることでしょう。その中でも上の歯よりも下の歯が前に出ている「受け口」は見た目だけでなく、噛み合わせにも大変悪影響を与える不正咬合です。今回はお子様の受け口についてお話を進めたいと思います。
受け口が与える悪影響とは
上の歯列より下の歯列が前方へ出ており、横から見たらあごが突き出して見える受け口は「下顎前突」という不正咬合です。受け口になる原因は主に遺伝や顎の成長が原因と考えられています。この受け口は早期に治療を行う必要がありますが、まずは受け口が与える悪影響をご紹介いたします。
・噛み合わせがズレてきちんと噛めない
お子さまの成長に大切なことは、よく噛んで食べることです。よく噛むことで脳の発達を促し、健康な体を作り出します。また顎の成長を促し、正しい歯列を導くためにもよく噛むことは大変重要です。
ところが受け口になると上下の前歯が接触せず、噛み切ることができません。奥歯の噛み合わせにもズレが生じることが多く、正しい咀嚼ができません。
・発音が悪くなる
反対咬合は前歯の噛み合わせが逆になります。そのため発音が不明瞭になりやすく、発音が不明瞭になってしまいます。
・顎関節症のリスクを抱える
受け口は顎の関節にとても負担がかかりやすく、将来的に顎関節症を引き起こす可能性が高くなります。正しい噛み合わせの場合、舌の顎は前後左右に動かすことができますが、受け口の場合は顎全体が固定されてしまった状態のため、食事や会話といった日常生活を送る上で顎の関節に大きな負担がかかってしまいます。
・全身の健康に影響が出やすくなる
噛み合わせは体のバランスを取り、健康を司るという大変重要な役目を持っています。特に下顎は首や肩、腰といった体の主軸となる骨と関わりが深いため、噛み合わせが悪いと肩凝りや腰痛などの症状が出やすくなります。
受け口が気になる場合は、早急に受診を
受け口は保護者の目から見てもとても気になるものです。そのまま放置することで「しゃくれ」と言われるような顎になる恐れがあり、お口のなかや体の健康にも深刻な影響が出る可能性があります。なんとなく受け口のような気がする、あるいは幼稚園や学校の検診で「反対咬合」という項目にチェックが入ったら、早急に歯科医院を受診して下さい。
受け口の治療法について
受け口の治療は、歯の生え変わりなどによりいくつか選択肢が考えられます。
主な治療法としては、次のようなものが挙げられます。
・マウスピース矯正・・・永久歯へ生え変わる前
・上顎拡大装置(床矯正)・・・生え変わりの時期
・ブラケット矯正・・・永久歯が生え揃った状態
・外科手術・・・成長期の終了
どの段階で反対咬合と診断されるかにより、治療方法が変わってくると思われます。
大切なことは、受け口とわかったら早急に治療を開始することです。そのまま放置するとお子さまの将来に重篤な影響が出る可能性があります。
少しでも受け口が気になったら、早めに歯科医院へ相談するようにして下さい。