差し歯の周りの歯ぐきの黒ずみ「メタルタトゥー」
2018年07月30日
差し歯の周りの歯ぐきが黒ずんでしまうと、笑った時などにとても目立ってしまいます。このような歯ぐきの黒ずみを解消することはできるのでしょうか。歯ぐきの黒ずみの原因と、対処法についてご紹介します。
歯ぐきの黒ずみの原因は「メタルタトゥー」
差し歯の周りの歯ぐきの黒ずみの主な原因は、差し歯に使われている金属です。
進行した虫歯治療の場合、根の治療を行った後に土台を入れて被せ物を装着することで噛む機能を回復させます。この被せ物が保険適用の場合、前歯は表側が白いプラスチック、内側が金属素材のものになり、奥歯は全体が金属でできた被せ物となります。
この金属こそが、歯ぐきに黒ずみを生じさせる「メタルタトゥー」の原因となるのです。
年数が経つにつれてイオン化した金属が徐々に流れ出て、歯ぐきに黒っぽい色素として沈着します。
特に銀は黒ずみやすい金属素材であり、保険診療で使われる被せ物は「金銀パラジウム合金」が使われているため、歯ぐきを変色させやすいのです。
また年齢を重ねると歯ぐきが下がりやすくなり、歯ぐきと差し歯の間に隙間が生じることで金属イオンが流れ出て、メタルタトゥーが起きてしまうこともあります。
長年同じ差し歯が入っている場合、特にメタルタトゥーが起きやすくなると言えるでしょう。
メタルタトゥーの改善法は?
メタルタトゥーは金属を使っているために起こります。そのため原因となっている金属素材を取り除くことが必要です。
・金属の土台を非金属のものに変える
土台に金属が使われている場合、非金属の土台であるファイバーコアやレジンコアに取り替えます。内部に虫歯がある場合、まず虫歯の治療を行ってから非金属の土台を立てます。
差し歯の周りの歯ぐきが黒ずんでしまうと、笑った時などにとても目立ってしまいます。このような歯ぐきの黒ずみを解消することはできるのでしょうか。歯ぐきの黒ずみの原因と、対処法についてご紹介します。
・メタルタトゥーの原因となる差し歯を、セラミックなどのものに変える
保険適用の差し歯をオールセラミックやジルコニアクラウンなどの被せ物に変えることで、その後のメタルタトゥーの心配はなくなります。
なお同じセラミックの被せ物でも、メタルボンドは内側に金属が使われているため、見た目は白くてもあまりお勧めできません。
また前歯の差し歯の場合、審美的に最も美しいのはオールセラミックです。透明で自然な白さは周りの歯の色調と馴染みやすく、自然な美しさを手に入れることができます。
ジルコニアクラウンは強度が非常に優れているものの、人工的な白さのため前歯には不向きです。強度を生かし、奥歯の被せ物として選択するほうがよいでしょう。
オールセラミックやジルコニアクラウンなどの被せ物は自費治療となるため、金額は歯科医院により異なります。素材の費用は歯科医院にお尋ねください。
・歯科用レーザーを使って、歯ぐきの黒ずみを取り除く
沈着した歯ぐきの黒ずみは、なかなか自然には改善しません。このため歯科用レーザーを使って、沈着した歯ぐきの黒ずみを取り除くことが可能です。
ただし、歯科用レーザーはどこの歯科医院でも置いてあるわけではありませんので確認が必要です。
まとめ
メタルタトゥーの改善法についてお話しました。
メタルタトゥーは、金属が使われている差し歯や土台が原因です。原因となる金属を取り除くメタルフリー治療を行うことで改善が可能です。またレーザー治療と併用することで、きれいな歯ぐきを取り戻すことが可能なため、歯ぐきの黒ずみに悩む方は、まず歯科医院に相談してみて下さい。