口内にはた~くさんの細菌がいます。細菌を抑制しましょう。
2018年06月21日
お口の中は細菌の倉庫です。虫歯菌や歯周病菌といったトラブルを起こす細菌をはじめとして、お口の中には非常に多くの細菌が存在しています。いったいどのくらいの数の細菌が存在しているのでしょうか。
口の中は細菌だらけなのです
体の中で細菌が多い場所と聞くと、多くは肛門もしくは腸内という答えが返ってくるのではないでしょうか。しかし体の中で最も細菌が多い場所は、実はお口の中なのです。
口の中は細菌が非常に繁殖しやすい場所であり、びっくりするかもしれませんがその数は肛門よりも多いそうです。
成人の口では300~700種類の細菌が存在し、歯をしっかりと磨いている人でも1000~2000億個、あまり磨かない人では4000~6000億個、そしてほとんど磨かない人に至っては1兆個もの細菌が生息していると報告されています。
自分の口の中が細菌だらけと聞くと、ものすごく気持ち悪くなるかもしれませんが、どんなに歯をきちんと磨いても、口腔内にはこれほどの細菌が棲みついているのです。
口腔内に棲みつく細菌とは
口の中に存在する細菌には非常に多くの種類があり、よく知られている虫歯菌と呼ばれるものではミュータンス菌やラクトバチルス菌など、歯周病菌では親玉であるPg菌という菌を筆頭に約800種類を超える細菌があると言われています。
またカンジダ菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌など全身疾患の原因菌なども含まれており、これらは免疫力が低下すると増殖して病気を発症させる原因になります。
しかしこれほどの数の細菌のほとんどは日和見菌と言われる、通常ではなにも悪いことをしない菌であり、その数は絶えず変動しているようです。免疫力が低下したり、口腔内の衛生環境が悪くなると細菌の働きに変化が起き、口の中や全身に何かしら影響が出てくるでしょう。
細菌の働きを抑制する唾液
想像もつかないような数の細菌が私たちの口の中に存在するわけですが、これらの細菌の働きを抑制するのが唾液です。唾液は天然の薬とも言われており、唾液に含まれる成分が細菌を洗い流してくれます。唾液はしっかりと噛むことでたくさん分泌されます。毎日のブラッシングだけでなく、食事の時はよく噛んでしっかりと唾液を分泌させることが、口腔内の細菌の増殖を抑制できるため、よく噛んで食べることを意識しましょう。
就寝時は唾液の分泌が減少する半面、細菌が増殖する時間帯でもあります。そのため起床時の口の中は細菌が爆発的に増殖している状態です。当たり前ですが、寝ている間は噛むことができません。細菌の増殖を少しでも抑えるためには、寝る前の歯磨きが最も大切です。寝る前にはしっかり歯を磨き、少しでも細菌を減らしておきましょう。
また起床時の歯磨きも忘れないようにして下さい。朝食後でいいのでは?と思うかもしれませんが、先ほども述べた通り、寝起きは一日の中で最も細菌が多く存在しています。寝ている間に増殖した細菌を歯磨きによって減らさなければいけません。
唾液の分泌および寝る前と起床時の歯磨きが、細菌の活動を抑える大きなポイントです。
細菌の活動を活発にさせない口腔内環境づくりが大切
お口の中の細菌の数についてお話しました。どんなに頑張って歯磨きをしても、細菌をゼロにすることはできません。大切なことは、細菌の活動や増殖を抑えるため、唾液をしっかり分泌させることと寝る前、起床時の歯磨きです。また歯科医院でのメンテナンスも非常に大切です。毎日のケアと歯科医院でのメンテナンスで口腔内のケアをしっかりと行うように心がけましょう。