実は怖い口内炎。2週間以上続くなら病院にいってください
2018年06月18日
できると非常に痛くて食事も苦痛になる口内炎ですが、口内炎は病気のサインとも言われています。中には怖い病気も潜んでいる可能性もあり、見逃すと手遅れになってしまうこともあります。今回はそんな口内炎についてお話をします。
口の中の不快な症状を引き起こす口内炎
口内炎は、口の中の粘膜に起こる炎症です。唇の裏側や頬の内側、舌、歯ぐきなどに発症し、白い円形のものから赤く腫れ、潰瘍と化するものなどがあります。
誤って噛んだところが口内炎になることがよくありますが、それ以外でも虫歯や被せ物、入れ歯のバネや矯正装置などが当たって口内炎ができることもしばしばあります。
口内炎は比較的よく起こる症状で、ほとんどの人が経験していることでしょう。そのため「また口内炎か」「放っておいたらそのうち治るだろう」と思われがちですが、実は口内炎ではなく口腔がんやその他の病気だったということもあるため、たかが口内炎と放置しておくことは非常に危険なのです。
口内炎の種類
口内炎には様々な種類があります。まずは口内炎の種類をご紹介します。
・アフタ性口内炎
もっともよく起こる口内炎で、誤って噛んだ時などに粘膜が傷ついて炎症を起こします。白い円状の腫れとともに周囲が赤く腫れて痛みを伴います。
・カタル性口内炎
歯の被せ物が合っていない、矯正装置や入れ歯のバネが当たるなど、物質的な影響で起こる口内炎です。
・ウイルス性口内炎
細菌やウイルスにより起こる口内炎です。ヘルペス性口内炎、カンジダ性口内炎が代表的です。特にヘルペスウイルスによる口内炎は再発しやすく、疲労や病後の抵抗力の低下などで繰り返すことがあります。
なおヘルペス性口内炎に代表されるウイルス性口内炎は、ウイルス感染のため唾液などから他の人に感染する恐れがあります。タオルや食器などの共有は避けるようにして下さい。
いっぽうカンジダ性口内炎は、カンジダ菌というカビの増殖により起こる真菌性口内炎です。カンジダ菌は常在菌のため、抵抗力が低下している時に起こりやすくなります。また乳幼児や高齢者、糖尿病などに罹患している人も起こりやすいと言われています。
・アレルギー性口内炎
金属や果物、薬などのアレルギーによる口内炎です。原因となるアレルギーを除去し、投薬治療を行います。
怖い病気かも!注意すべき口内炎について
上に挙げた口内炎以外にも、病気によって起こる口内炎があります。そのままにしておくことで重症化する、または命にかかわることも考えられますので、十分な注意が必要です。
・ベーチェット病
自己免疫疾患のひとつで、原因不明と言われています。口の中全体に1センチ程度の口内炎が繰り返しできます。それ以外に目の症状や、皮膚の炎症が現れます。
・尋常性天疱瘡
こちらは重度の自己免疫疾患で、そのままにしておくと命に係わる場合があります。
痛みのない水ぶくれが口の中や皮膚、粘膜に大量に発生し、やがて水ぶくれが破れてただれてしまうと痛みを伴います。重症化すると命に係わるため、きちんと治療を受けることが大切です。
・白血病
血液のガンである白血病の初期症状に、口内炎ができ始めることがあります。白血病になると免疫力が低下するため、口内炎が繰り返しできる上、治りにくくなります。
微熱が続く、鼻血が良く出る、あざができやすくなるなどの症状も現れてきます。
・口腔ガン
口の中にできた口内炎が何週間たっても治らない場合や、痛くない場合は口腔がんが疑われます。その他にしたがしびれる、つれたような感じがする、首のリンパが腫れているなどの症状が見られます。
・舌ガン
舌にできるガンで、口の中のガンの約半数を占めると言われています。舌にしこりを伴った口内炎がある場合、注意が必要です。
気になる症状がある場合や、2週間以上口内炎が治らない場合は病院へ
よく見られる症状とはいえ、その中には怖い病気が潜んでいるかもしれない口内炎についてお話しました。たかが口内炎と思わず、気になる症状がある場合、または2週間以上たつのに口内炎が治らない場合は、速やかに受診するようにして下さい。