乳歯の虫歯予防に有効な「シーラント」、ご存知ですか
2018年05月8日
子供が虫歯になってしまうと、親も大変です。特に奥歯は虫歯になりやすいことから歯磨きをしっかり行うなど、虫歯予防が欠かせません。そこで今回ご紹介するのが「シーラント」という虫歯予防の処置です。シーラントとは一体どんな治療を行うのでしょうか。
乳歯と生えたての永久歯は虫歯になりやすい
子供の歯は乳歯が抜けて永久歯が生えるものと、生え変わりがない永久歯があります。
前者は前歯から第二小臼歯まで、後者は第一大臼歯と第二大臼歯になります。
乳歯はもちろん、生えたばかりの永久歯は大人の永久歯に比べてまだ弱く、エナメル質も大人よりも少ないと言われています。このため酸にとても弱く、歯質が未熟な乳歯と生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすいという特徴があります。
特に奥歯は前歯に比べて歯磨きを行いにくく、磨き残しがよく見られるため虫歯になりやすいリスクを抱えています。また幼少期に行っていた保護者による仕上げ磨きを行わなくなりがちなのもこの頃です。奥歯の中でも6歳臼歯(第一大臼歯)は噛むために非常に重要な歯ですが、溝がとても深いため汚れが溜まりやすいのです。
シーラントについて
子供の永久歯は虫歯になりやすいことから、虫歯にならないための予防策を取ることが望ましいと言えます。虫歯予防という観点では、フッ素塗布が有名であり効果も高いです。いっぽうシーラントは、臼歯面の溝にプラスチックやセメントで埋め込み、汚れが溜まることを防ぐ役割を持っています。
なおシーラントは保険適用治療のため、それほど高額な費用はかかりません。
シーラント治療の流れ
シーラントは15分ほどの処置時間を要しますが、歯を削ることがないためお子さんも恐怖心を抱くことは少ないようです。ただし臼歯の溝に汚れが溜まっている場合は機械や器具などできれいに落とす必要があります。
次に汚れをきれいに洗い流し、水分を含まないよう風をかけて歯を乾かします。その後、歯の溝部分にプラスチックやセメントを流し込んで噛み合わせの確認を行います。
シーラントのデメリット
シーラントのデメリットは「臼歯面しか使えない」ところです。歯の溝にシーラントを埋めて虫歯予防を行いますが、前歯や犬歯などはシーラントができません。
また詰め物を行うときに使う薬品がいちばん外側のエナメル質を溶かしてしまうことがあります。エナメル質が溶けてしまうと、その部分が弱くなって逆に虫歯リスクが高くなってしまうことがあります。
一生使う大切な歯だからこそ大切に
永久歯は生えてしまうともう二度と生え変わりません。永久歯が虫歯になると、早い段階でその歯を失ってしまうリスクがあります。大切なお子様の歯を守るためにはシーラントだけではなく、親御さんの適切なスキンシップと歯をきちんと磨いてあげることです。
この時期に虫歯にならないためにもシーラントを活用してあげるとよいでしょう。