かわさき医院自慢の減菌体制!減菌の大切さをご存知ですか?
2018年05月7日
歯科医院で使われる器具は、きちんと滅菌が行われた清潔なものが使われます。しかし、この滅菌がちゃんと行われている歯科医院は意外と少ないと言われているようです。なぜ滅菌が大切なのか、そもそも滅菌とはどういう意味なのか、今回は歯科治療と滅菌について考えてみました。
歯科治療は感染のリスクが高い治療
「院内感染」という言葉は日常的によく耳にするでしょう。院内感染とは、病院や医療機関内で新たにウイルスや細菌などの病原体に感染することを言います。
歯科治療で院内感染が起こるの?と思いがちですが、実は歯科治療は院内感染のリスクが高いのです。
ではなぜ歯科治療は院内感染リスクが高いのでしょうか。それは抜歯や外科処置などによる出血を伴うことが多いからです。歯ぐきが腫れている時や出血しやすい体質の患者さんもいます。このような処置のときにきちんと滅菌された器具を使っていないと、出血している部位から細菌感染する恐れがあります。特に高齢者や免疫力が低下している方などは健康な人に比べて細菌感染しやすい状態になっています。
もし滅菌されていない器具で細菌感染が起こると菌血症という症状を引き起こしてしまい、最悪の場合、命にかかわることもあります。
滅菌に対する歯科医院の現状とは
細菌そのものは、目に見えるものではありません。したがって、どこで感染したのかわからないということも多く、感染源は不明であることもしばしばあります。
とは言うものの、医療従事者側から考えれば院内感染を防ぐことは当然の義務であり、院内感染対策を行って当然という考えが当たり前です。滅菌していない器具は色々な細菌が付着しているため、院内感染を起こさないためにも滅菌処理を行い、清潔な環境で歯科治療を行わなければいけばいけません。
しかし、実際問題として完全滅菌を行っている歯科医院は少ないようです。その多くはアルコールを含んだワッテで拭くだけの「消毒」で済ますところも多いようです。以前ニュースにもなった「タービンの使いまわし」は記憶に新しいところですね。タービンは歯を削る器具で、血液や唾液が多く付着し、当然多くの細菌が付着しています。
器具に限らず、治療で使うグローブは患者ごとに取り換えるのが当たり前ですが、ひどいところになるとコスト削減のために1日中使いまわしているところもあるそうです。
確かに滅菌にはコストがかかります。しかしこんな歯科医院が院内感染予防策を行っているとはとても思い難く、残念ながら未だ完全滅菌を行っている歯科医院はそう多くないというのが現状です。
滅菌をきちんと行っているかどうかを見極めるには
では滅菌をちゃんと行っているかどうかはどうやって見極めるのでしょうか。
患者さん側からすると、心の中で思っていても「そちらの歯科医院の滅菌は完璧ですか?」と聞くことは勇気がいりますし、まずいないでしょう。
ではどうやって探すのかと言えば、そのヒントはホームページにあります。ホームページには院内の様子がわかる画像がある他、滅菌に関するページを掲載している場合があります。
特に最近では「クラスB」という滅菌器を導入している歯科医院が増えてきました。このクラスBという滅菌器は最高水準と言われており、タービンも滅菌できる優れものです。
クラスB滅菌器を導入していると記載されている歯科医院は滅菌に対する意識が高く、安心して治療を受ける大きなポイントとなるでしょう。またその下のランクであるクラスSでもタービンの滅菌は可能と言われています。
まずはホームページで滅菌に力を入れているかどうかを確認しましょう。
あとは直接歯科医院で確認するしかありません。
ポイントは、ユニットにタービンなどが差しっぱなしになっていないかどうかです。ユニットに差したままの状態である場合、タービンは滅菌ではなく拭いただけという可能性が非常に高いです。タービンなどが個別にパックされ、目の前で開けるようであればまず滅菌はきちんと行われています。
またほとんどの歯科医院ではトレイ、ミラー、ピンセットなどがセットになってパックされています。しかし中にはむき出しのところもあります。このようなところは滅菌にそれほど力を入れていないと考えられます。
あとはグローブを患者ごとに変えているか、唾液のついた手であちこち触っていないかが見極めのポイントです。
細菌感染に対する意識を持っておきましょう
患者さんが安心して歯科治療を受けるためにも滅菌は非常に大切です。歯医者で治療を受けたのに、院内感染しては元も子もありません。感染防止意識をしっかりと持った歯科医院を探すとともに、患者さん自身も感染に対する知識を深めるようにしましょう。