2018年05月11日
銀歯は虫歯治療で取り扱われる非常にポピュラーな素材で、「虫歯=銀歯になる」とイメージする人が大半だと思います。しかし銀歯の素材は金属で、金属アレルギーを懸念する人もいるでしょう。では金属アレルギーがある人が銀歯の治療ができるのでしょうか。
銀歯について
銀歯は一般的に呼ばれている歯の詰め物や被せ物で、主に保険治療で使われる素材です。
正式には浅い虫歯の詰め物をインレー、深い虫歯で神経の治療を行った後に被せる被せ物をクラウンと言います。使われる部位はインレーの場合小臼歯、大臼歯です。被せ物は、前歯から犬歯の場合、見える表側が白いプラスチック、内側と裏側は金属です。小臼歯は以前は銀歯のみでしたが、近年は保険適用で白い被せ物(CAD/CAM冠)が選べるようになりました。しかし大臼歯は銀歯のみです。
歯科治療における金属アレルギーとは
指輪やネックレスなどの貴金属を身に着けたとき、肌に赤みや痒みなどの症状が出た場合、金属アレルギーが疑われます。この場合、金属に触れた部分に症状が出る接触性のものですが、金属が溶けてイオン化したものが体内に入ることで症状が起きるものがあります。この原因の一つが、歯科治療で使われている銀歯などの金属素材です。
歯科治療で使われている金属は主に「金銀パラジウム合金」「ニッケルクロム合金」「アマルガム」です。特に金銀パラジウム合金は詰め物、被せ物ともに使用される金属で、保険治療で使われる素材のほとんどを占めています。
お口の中に金属があることで、唾液中に溶けだした金属がイオン化して体内に入り込み、全身をめぐることで症状が出ることがあります。
この症状は口腔内だけでなく、頭痛など全身に症状が起きることがあります。主な症状は口内炎、口唇炎、舌炎など口腔内のトラブルに加え、アトピー性皮膚炎のような湿疹などです。
パッチテストによる金属アレルギー検査
お話したように、銀歯をはじめとした金属を使った歯科治療は金属アレルギーを引き起こす可能性が高くなります。お口の中に銀歯がある場合、貴金属を身に着けたわけでもないのに湿疹が出る、口内炎や舌などの粘膜に異常が起きるなどの症状が現れたときは銀歯による金属アレルギーと考えたほうがよいでしょう。元々金属アレルギーをお持ちの方は特に注意が必要です。
歯科治療による金属アレルギーが疑われる場合、パッチテストを行うことでどの金属に対してアレルギー反応が出るのかわかります。パッチテストは皮膚科の他、最近では歯科医院でもパッチテストを行っているところがあります。パッチテストによる金属アレルギー検査を行って、原因が歯科素材であるかどうか知ることができます。
健康のためにも金属を使わないメタルフリー治療を
金属アレルギーがある方は銀歯にすると金属アレルギーの症状が出る可能性が非常に高くなるでしょう。金属アレルギーの方はセラミックやレジンなど、金属を使わない治療が推奨されます。セラミック治療になると自費治療となるため高額な費用が必要となりますが、体の健康には代えられません。ご自身の健康のためにも金属を使わない治療を選択するほうが無難でしょう。
2018年05月11日
鏡や自撮り写真などを見て、顔の歪みが気になることはありませんか?自分が思っている顔とは違った顔がそこに写っていたらびっくりすることでしょう。顔の歪みの原因のひとつに、顎のズレが考えられます。では顎のズレと顔の歪みはどのような関わりがあるのでしょうか。
噛み合わせのズレが顔の歪みを引き起こす
皆さんは歯並びや虫歯は気になっても、噛み合わせはさほど気にならないのではないでしょうか。歯並びが良いときれいな口元に見える、虫歯がなければ健康的な歯・・・このように思っている人は非常に多いでしょう。
しかしお口の中の機能で最も重要なことは、正しい噛み合わせです。
奥歯で噛んだときに、バランスの取れた正しい噛み合わせなら問題はありませんが、上顎と下顎の噛み合わせが正しい位置にない場合、顎がズレて顎関節や頬の筋肉に痛みが出たり、口を大きく空き得ることができなくなったり、顎を動かすとカクカク音がするようになってしまいます。この症状が顎関節症であり、体に大きな影響を与えます。
そして上顎と下顎のズレこそが、顔の歪みの原因なのです。
顎のズレは主に下顎に起こりやすく、顔全体の筋肉が影響を受けやすくなります。
そのため口元や目などのパーツに歪みが起きてしまいます。
なぜ下顎の位置がズレるのか
ではなぜ上顎に比べて下顎がズレやすいのでしょうか。それは食べ物を噛む、話すなど口を動かす動作を伴うときは必ず下顎を動かすからです。頭蓋骨と下顎の骨がつながる「下顎頭」という骨を軸にして、噛む動作など顔面の筋肉を動かします。
しかし噛み合わせのズレは下顎頭の動きを悪くしたり顔の筋肉の緊張を引き起こし、固くさせてしまいます。そのため下顎の位置がズレて悪い噛み合わせの状態が続き、顎の位置が変わって顔の歪みを引き起こしてしまうのです。
特に顕著に表れるのが、目元です。顎の位置がズレると左右の筋肉のバランスが崩れてしまいますが、その影響を受けやすいのが目の周りの筋肉です。悪い噛み合わせが続くと、目の大きさに違いが生じることがあります。
またいつも同じ側でばかり噛むことも顔の歪み、特に口元の歪みに繋がります。
鏡や写真などを見て目元や口元に歪みはありませんか?もし歪みが気になる場合、上記のとおり顎の位置と噛み合わせに問題があると考えられます。
顔の歪みが気になる場合、まずは歯科医院へ相談を
顔の歪みや噛み合わせが気になる場合や、もしかして顎関節症かも、と思い当たる場合はまず歯科医院もしくは顎関節症の専門医に相談してみましょう。
また日常から同じ側でばかり噛まないようにすること、筋肉の緊張をほぐすストレッチなどを行ってみるのもよいでしょう。しかし噛み合わせが大きくズレている場合は筋肉をほぐすだけではすぐに元に戻ってしまいます。早めに専門医に相談するようにして下さい。
2018年05月10日
奥歯は前歯に比べて噛む力が強い特徴があります。奥歯を失い、機能回復手段としてインプラント治療を選択した場合、どのような手順で行われるのでしょうか。奥歯のインプラント治療の特徴や手順などをご紹介します。
奥歯の特徴とインプラント
奥歯は、前歯に比べて噛む力が強いことがまず大きな特徴として挙げられます。噛み合わせは体にとって大変重要な役割を持っており、奥歯の欠損は認知症など脳の機能にも少なからず影響します。このためインプラントを顎の骨に埋め込むことで、噛んだ時の力を分散さ、入れ歯やブリッジに比べて自然な噛み心地になります。
奥歯のインプラント治療の注意点
上顎の奥歯の上方には上顎洞という空洞があり、下顎には神経や太い血管が走っています。
重度の歯周病で顎の骨が薄くなってしまった場合、そのままインプラントを埋入するとこれらを傷つけてしまう恐れがあります。このため骨に厚みを持たせる手術などが必要になることがあります。
奥歯のインプラント治療の手順について
まずは精密検査を行い、お口の中の状態を診断します。
レントゲンや歯科用CTによる事前検査で顎の骨の厚みを把握します。
もし顎の骨が薄い場合、上記で触れたようにそのままインプラントを入れると組織を傷つけて後遺症が残ることがあります。このため治療前の精密検査や診断は非常に重要です。
上顎の骨が薄い場合は「サイナスリフト」や「ソケットリフト」など、骨に厚みを加えるための手術を、下顎の骨が薄く、神経などが近い場合は自分の骨を利用する「自家骨移植」や人工の骨を移植する「人工骨移植」の治療を行います。
骨の厚みがインプラント治療に十分足りていると判断された場合、通常のインプラント手術を行います。まず麻酔の注射を打ち、麻酔が効いたところで歯ぐきを切開して専用ドリルで顎の骨に穴を開けてインプラント体を埋入します。
インプラント埋入後歯ぐきを縫合し、骨とインプラント体の結合期間に入ります。
上顎はおよそ6~10か月、下顎はおよそ3~6か月程度が結合期間の目安です。
インプラント体と顎の骨の結合が確認できれば、次は二次オペを行います。麻酔後、歯ぐきを切開してインプラント体の先端を露出させてアバットメントを取り付け、その後型取りを行い、上部構造(被せ物)の作製へ進みます。
奥歯の上部構造は強度を重視し、ネジやセメントで固定するタイプの人工歯となります。
素材としてはジルコニアセラミック、オールセラミック、ハイブリッドセラミックといったメタルフリー素材のほか、メタルボンドやゴールドクラウン、パラジウムクラウンなど金属を使ったものを選ぶ場合もあります。
上部構造を装着後、噛み合わせに異常はないかどうかを確認してインプラント治療は終了します。
定期的なメンテナンスで快適な口腔内を
インプラント治療で大切なことは、定期的なメンテナンスをきちんと受けることです。
メンテナンスをきちんと受けることが、快適な口腔内を保つとともにインプラントを長持ちさせることに繋がります。特に奥歯は噛み合わせが非常に大切です。噛み合わせに問題はないかどうかを確認するためにも、定期健診は必ず受けるようにして下さい。
2018年05月9日
失った歯の機能回復手段の中にインプラントがあります。入れ歯やブリッジに比べて治療期間が長くなるインプラントですが、いったいどのくらいの治療期間が必要なのでしょうか。また手術に要する時間など、インプラントの手術時間と治療期間についてご説明します。
インプラントの手術方法について
インプラントは入れ歯やブリッジと異なり、外科手術を伴います。また顎の骨にインプラント体を埋入後、定着するまで期間を要します。その期間は部位や本数、そして手術方法で異なってきます。ここでまず手術方法についてご紹介します。
・一回法
一回法とは、インプラント手術を一度だけ行う方法です。インプラント手術の際、歯ぐきを切開して顎の骨にインプラント体を埋入したあと、インプラント体と人工歯をつなぐアバットメントを装着します。その後結合期間へ入り、インプラント体と顎の骨の結合を確認後、人工歯を装着します。
つまり一回法では人工歯を装着するまでの間、歯肉からインプラント体上部が露出している状態になります。
この方法は歯ぐきの切開が一度のみで済むため患者さんへの負担が少なく、治療期間も次にご紹介する二回法に比べて短い傾向にあります。また治療工程が単純なため費用を抑えることができます。
しかし感染のリスクが若干高いため、重度の歯周病の場合などは向きません。また顎の骨が十分ある方でないと難しいと言われています。
・二回法
インプラント手術として最もスタンダードな方法は二回法です。二回法とは、インプラント手術を二回に分けて行う方法です。一次オペで歯ぐきを切開して顎の骨にインプラント体を埋入後、縫合して歯ぐきを閉じます。一回法と異なり、インプラント体を完全に歯肉の中へ埋め込んでから結合期間に入ります。
骨とインプラント体の結合を確認した後、再び歯肉を切開してアバットメントを取り付ける二次オペを行います。二次オペは一次オペほど時間はかかりません。人工歯の型取りを行い、後日人工歯を装着して噛み合わせを確認して治療は終了します。
二回法はほとんどのケースに対応できます。また歯肉を閉じてしまうため、感染のリスクが低く、歯周病で歯を失った方にも適しています。
しかし外科手術を二度行う必要性があること、一回法に比べて人工歯を装着までの工程が複雑なため費用が高くなること、そして治療期間が若干長くなることがデメリットとして挙げられます。
インプラントの手術時間
インプラントは外科手術を伴います。そのため通常の抜歯に比べて時間は長くなります。
部位や本数、患者さんの体質により個人差がありますが、目安として一次オペは1時間程度、二回法の二次オペは15~30分程度の時間を要します。
インプラントの治療期間
インプラントの治療期間は上顎と下顎で異なると言われており、特に上顎の奥歯は前歯に比べると結合に時間がかかると言われています。
目安として、下顎の奥歯の場合は3~6か月、上顎の奥歯の場合は6~10か月程度かかることが多いようです。
部位や本数により治療時間や期間は異なります
インプラントの治療方法および治療期間などについてご説明しました。
歯科医師の方針や患者さんの口腔内の状態により条件は異なります。不明な点は事前にしっかりと歯科医師に確認しておきましょう。
2018年05月8日
子供が虫歯になってしまうと、親も大変です。特に奥歯は虫歯になりやすいことから歯磨きをしっかり行うなど、虫歯予防が欠かせません。そこで今回ご紹介するのが「シーラント」という虫歯予防の処置です。シーラントとは一体どんな治療を行うのでしょうか。
乳歯と生えたての永久歯は虫歯になりやすい
子供の歯は乳歯が抜けて永久歯が生えるものと、生え変わりがない永久歯があります。
前者は前歯から第二小臼歯まで、後者は第一大臼歯と第二大臼歯になります。
乳歯はもちろん、生えたばかりの永久歯は大人の永久歯に比べてまだ弱く、エナメル質も大人よりも少ないと言われています。このため酸にとても弱く、歯質が未熟な乳歯と生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすいという特徴があります。
特に奥歯は前歯に比べて歯磨きを行いにくく、磨き残しがよく見られるため虫歯になりやすいリスクを抱えています。また幼少期に行っていた保護者による仕上げ磨きを行わなくなりがちなのもこの頃です。奥歯の中でも6歳臼歯(第一大臼歯)は噛むために非常に重要な歯ですが、溝がとても深いため汚れが溜まりやすいのです。
シーラントについて
子供の永久歯は虫歯になりやすいことから、虫歯にならないための予防策を取ることが望ましいと言えます。虫歯予防という観点では、フッ素塗布が有名であり効果も高いです。いっぽうシーラントは、臼歯面の溝にプラスチックやセメントで埋め込み、汚れが溜まることを防ぐ役割を持っています。
なおシーラントは保険適用治療のため、それほど高額な費用はかかりません。
シーラント治療の流れ
シーラントは15分ほどの処置時間を要しますが、歯を削ることがないためお子さんも恐怖心を抱くことは少ないようです。ただし臼歯の溝に汚れが溜まっている場合は機械や器具などできれいに落とす必要があります。
次に汚れをきれいに洗い流し、水分を含まないよう風をかけて歯を乾かします。その後、歯の溝部分にプラスチックやセメントを流し込んで噛み合わせの確認を行います。
シーラントのデメリット
シーラントのデメリットは「臼歯面しか使えない」ところです。歯の溝にシーラントを埋めて虫歯予防を行いますが、前歯や犬歯などはシーラントができません。
また詰め物を行うときに使う薬品がいちばん外側のエナメル質を溶かしてしまうことがあります。エナメル質が溶けてしまうと、その部分が弱くなって逆に虫歯リスクが高くなってしまうことがあります。
一生使う大切な歯だからこそ大切に
永久歯は生えてしまうともう二度と生え変わりません。永久歯が虫歯になると、早い段階でその歯を失ってしまうリスクがあります。大切なお子様の歯を守るためにはシーラントだけではなく、親御さんの適切なスキンシップと歯をきちんと磨いてあげることです。
この時期に虫歯にならないためにもシーラントを活用してあげるとよいでしょう。
2018年05月7日
歯科医院で使われる器具は、きちんと滅菌が行われた清潔なものが使われます。しかし、この滅菌がちゃんと行われている歯科医院は意外と少ないと言われているようです。なぜ滅菌が大切なのか、そもそも滅菌とはどういう意味なのか、今回は歯科治療と滅菌について考えてみました。
歯科治療は感染のリスクが高い治療
「院内感染」という言葉は日常的によく耳にするでしょう。院内感染とは、病院や医療機関内で新たにウイルスや細菌などの病原体に感染することを言います。
歯科治療で院内感染が起こるの?と思いがちですが、実は歯科治療は院内感染のリスクが高いのです。
ではなぜ歯科治療は院内感染リスクが高いのでしょうか。それは抜歯や外科処置などによる出血を伴うことが多いからです。歯ぐきが腫れている時や出血しやすい体質の患者さんもいます。このような処置のときにきちんと滅菌された器具を使っていないと、出血している部位から細菌感染する恐れがあります。特に高齢者や免疫力が低下している方などは健康な人に比べて細菌感染しやすい状態になっています。
もし滅菌されていない器具で細菌感染が起こると菌血症という症状を引き起こしてしまい、最悪の場合、命にかかわることもあります。
滅菌に対する歯科医院の現状とは
細菌そのものは、目に見えるものではありません。したがって、どこで感染したのかわからないということも多く、感染源は不明であることもしばしばあります。
とは言うものの、医療従事者側から考えれば院内感染を防ぐことは当然の義務であり、院内感染対策を行って当然という考えが当たり前です。滅菌していない器具は色々な細菌が付着しているため、院内感染を起こさないためにも滅菌処理を行い、清潔な環境で歯科治療を行わなければいけばいけません。
しかし、実際問題として完全滅菌を行っている歯科医院は少ないようです。その多くはアルコールを含んだワッテで拭くだけの「消毒」で済ますところも多いようです。以前ニュースにもなった「タービンの使いまわし」は記憶に新しいところですね。タービンは歯を削る器具で、血液や唾液が多く付着し、当然多くの細菌が付着しています。
器具に限らず、治療で使うグローブは患者ごとに取り換えるのが当たり前ですが、ひどいところになるとコスト削減のために1日中使いまわしているところもあるそうです。
確かに滅菌にはコストがかかります。しかしこんな歯科医院が院内感染予防策を行っているとはとても思い難く、残念ながら未だ完全滅菌を行っている歯科医院はそう多くないというのが現状です。
滅菌をきちんと行っているかどうかを見極めるには
では滅菌をちゃんと行っているかどうかはどうやって見極めるのでしょうか。
患者さん側からすると、心の中で思っていても「そちらの歯科医院の滅菌は完璧ですか?」と聞くことは勇気がいりますし、まずいないでしょう。
ではどうやって探すのかと言えば、そのヒントはホームページにあります。ホームページには院内の様子がわかる画像がある他、滅菌に関するページを掲載している場合があります。
特に最近では「クラスB」という滅菌器を導入している歯科医院が増えてきました。このクラスBという滅菌器は最高水準と言われており、タービンも滅菌できる優れものです。
クラスB滅菌器を導入していると記載されている歯科医院は滅菌に対する意識が高く、安心して治療を受ける大きなポイントとなるでしょう。またその下のランクであるクラスSでもタービンの滅菌は可能と言われています。
まずはホームページで滅菌に力を入れているかどうかを確認しましょう。
あとは直接歯科医院で確認するしかありません。
ポイントは、ユニットにタービンなどが差しっぱなしになっていないかどうかです。ユニットに差したままの状態である場合、タービンは滅菌ではなく拭いただけという可能性が非常に高いです。タービンなどが個別にパックされ、目の前で開けるようであればまず滅菌はきちんと行われています。
またほとんどの歯科医院ではトレイ、ミラー、ピンセットなどがセットになってパックされています。しかし中にはむき出しのところもあります。このようなところは滅菌にそれほど力を入れていないと考えられます。
あとはグローブを患者ごとに変えているか、唾液のついた手であちこち触っていないかが見極めのポイントです。
細菌感染に対する意識を持っておきましょう
患者さんが安心して歯科治療を受けるためにも滅菌は非常に大切です。歯医者で治療を受けたのに、院内感染しては元も子もありません。感染防止意識をしっかりと持った歯科医院を探すとともに、患者さん自身も感染に対する知識を深めるようにしましょう。
2018年05月2日
食事の後に歯を磨くのは虫歯予防だけではなく、エチケットの意味合いも持ち合わせています。特に匂いのきつい食べ物を食べた後は、相手に不快感を与えていないか気になるものです。しかし仕事をしていると、ランチの後すぐに歯磨きができないときもあるでしょう。ではランチ後すぐに歯磨きができないときの対策をお伝えします。
口臭対策は「細菌を洗い流すこと」
食後気になるのはまず「匂い」です。特に接客業や営業など、面と向かって人と話す職業にとって口臭は大敵です。そのため常にお口のエチケットに気をつけなければいけません。携帯歯ブラシやガム、マウスウォッシュなどを持ち歩き、パウダールームでサッと口の中をゆすいで匂い対策をすることが望ましいです。
それでもどうしてもランチ後に歯磨きができない場合の対策は次のとおりです。
キシリトールガムを噛む
キシリトールガムを食後に噛むことで唾液の分泌に繋がります。唾液は口腔内の雑菌を洗い流す作用があり、口臭の元となる細菌の増殖を抑えてくれます。
またキシリトールガムは虫歯菌を寄せ付けず、長時間噛んでいても虫歯になる心配がありません。食後のお口の中は酸性に傾いており、虫歯になりやすい状態ですが、キシリトールガムを長時間噛むことで唾液の分泌を促し、酸性状態のお口の中を中和させてくれます。
キシリトールガムをいつも持ち歩くと、もし食後すぐに歯磨きができなくなってもある程度口臭を抑えてくれる効果が期待できます。
なおキシリトールを含んだガムはたくさん販売されていますが、できるだけキシリトール100%のものが望ましいです。
カテキン入り緑茶を飲む
食後に水を飲むのもいいですが、カテキン入り緑茶を飲むとよいでしょう。カテキンは殺菌作用があり、お口の中の細菌の活動を低下させる作用があると言われています。
会議やプレゼンなどの席ではガムを噛むことは好ましくありませんが、カテキン入りのペットボトル緑茶なら持っていても問題はないと思います。
同じ水分補給なら、カテキン入り緑茶を選んで細菌の活動を弱めるほうが得策です。
口臭の原因はお口の中の細菌です。細菌を増殖させず、活動を弱める対策として、まずは上記の方法を試してみて下さい。
歯磨きで最も大切な時間帯は、起床後と就寝前
口臭やエチケットとは別として、歯や口腔内にとっても最も適した歯磨きは、実は食後よりも起床後と就寝前なのです。これは、細菌の繁殖や活動に大きく影響しているためと考えられています。
就寝中は唾液の分泌が少なくなるため、口腔内の細菌が繁殖しやすい状態です。このため寝起きのお口の中は雑菌だらけで口臭もきつくなります。起床後に歯磨きを行い、お口の中の雑菌を減らすことがまず大切です。
そして寝る前にしっかりと歯磨きを行って、できる限り口腔内の雑菌を減らしておくことも重要です。
唾液を減らさず、雑菌を増殖させないことが口臭予防のカギ
お伝えしたように、口臭の原因は唾液不足による細菌の繁殖です。食後すぐに歯を磨けない場合、唾液を分泌させること、そし細菌の増殖を抑えることで口臭をある程度抑えることができます。常にキシリトールガムを携帯し、飲み物はカテキン入りを意識するとよいでしょう。
2018年05月1日
「メタルフリー」という言葉をご存知でしょうか。メタルフリーとは、「金属を使わない」という意味で、歯科治療において金属素材を用いない治療のことを言います。ではメタルフリーは一体どのようなメリットがあるのでしょうか。
歯科治療で使われる金属素材とは
歯科治療では保険診療、自費治療ともに金属を使った治療が行われます。まず金属を使った主な歯科治療を挙げてみます。
・金属の詰め物、被せ物(保険治療 / インレー・前装冠・FMC)
・部分入れ歯(保険治療 / バネ部分)
・メタルボンド(自費治療 / 内側がセミプレシャスメタルという金合金)
・矯正装置(自費治療 / ブラケットおよびワイヤー)
・メタルコア(被せ物の土台)
他にも入れ歯の床部分が金属のものがあり、歯科治療では多くの金属が使用されています。
このように、歯科治療では様々な金属が使われていますが、ここで問題となるのが保険の詰め物や被せ物に使われる金属です。
歯科治療における金属アレルギーとは
一般的に金属アレルギーとは、指輪やネックレスなどの貴金属を身に着けた際に起こる皮膚の赤みやかゆみが思い浮かぶかもしれませんが、それだけではありません。
金属アレルギーとは主に次のような症状が現れます。
・頭痛、めまい
・肩凝りや疲労感
・湿疹や蕁麻疹、アトピー性皮膚炎のような症状
・貴金属によるかゆみやかぶれ、ただれ
単なる皮膚疾患ではなく、このような症状が、歯科治療で使われている金属素材が原因と考えられるのです。歯科治療が原因で起きる金属アレルギーは、上記の症状に以外に口内炎も現れることがあります。
歯科治療で使われている金属にはニッケル、水銀、コバルト、クロム、亜鉛、パラジウムなどがあります。
例えば保険適用の金属は金12%、銀50%、パラジウム20%、銅17%でできている「金銀パラジウム合金」ですが、この金銀パラジウム合金が、金属アレルギーを引き起こす原因と言われています。
保険診療のため安価で治療できるため、日本の歯科治療ではポピュラーでありよく使われています。今はほとんど使われていませんが、以前はアマルガムと言う水銀を含んだ金属がよく使われていました。これらの金属がお口の中で溶け出し、体内に少しずつ取り込まれることで体の不調を引き起こすことがあります。原因不明の体調不良で悩んでいる方は、もしかしたらお口の中に金属素材が使われているかもしれません。
メタルフリー治療のメリットと治療法について
体の不調の原因が歯科治療である場合、原因と考えられる金属素材を除去し、金属素材を使わない治療を行うことで症状の改善が見込めるでしょう。
メタルフリーのメリットは、何といっても体に優しいということです。実際に口腔内の金属を取り除いただけで、あれだけ悩んでいた肩凝りが改善したとの声も聞かれます。
金属のインレーや被せ物はセラミックやハイブリッド(レジンとセラミックを混ぜたもの)を選択します。部分入れ歯はノンクラスプデンチャー(バネがない入れ歯)、矯正治療はセラミックブラケットを選択するなど、金属を全く使わない素材を使って改善します。
また被せ物の必要な土台はメタルではなく、グラスファイバーコアという繊維質でできた土台を使います。
グラスファイバーコアは適度なしなりがあるため、歯の根にも大きなダメージを与えません。
お口の中から金属を取り除き、金属を使わないメタルフリー治療は歯だけでなく体の健康も考慮した治療なのです。
体内に金属を溜めないためには、メタルフリーが大切
歯科治療と金属素材、そしてメタルフリーについてお話をしました。原因不明の体の不調はもしかすると歯科治療が原因かもしれません。体内に金属を取り込んでしまうと体の不調となって現れることがあるため、根本的に金属を取り入れない歯科治療を行うとよいでしょう。