歯周病の改善や予防に、ぜひ海藻を取り入れてください。
2018年04月25日
海藻に含まれる成分が歯周病の予防や改善の効果を引き出すと注目を集めています。ではなぜ海藻が歯周病の予防および改善に役に立つのか、今回は海藻の働きについてお話したいと思います。
カルシウムの過剰摂取はかえって歯周病の悪化を招く?
歯周病の人が歯や骨に良いからと言ってカルシウムを過剰に摂取することが、かえって歯周病を悪化するという思わぬリスクがあるようです。
カルシウムは摂取すると、そのほとんどはまず歯や骨に蓄えられます。残りはカルシウムイオン化し、血中へと送られます。しかし年齢を重ねるにつれ、血中へ送られるべきカルシウムイオンは血中へ排泄されなくなります。カルシウムイオンは体内に必要な物質ですが、不足すると今度は体内に蓄えられたカルシウム、つまり歯や骨から溶け出します。そして真っ先に溶けだすのが、歯槽骨および歯と言われています。カルシウムが溶けだした歯槽骨は当然薄くなり、歯を支えることが困難になって動揺が出てくるのです。
マグネシウムが過剰摂取したカルシウムの排出を促す働きを持つ
カルシウムは歯や骨に蓄えられ、血液を通じで全身へと流れて体の健康を守る働きをしますが、カルシウムの過剰摂取により血中へと送られず細胞内に留まったカルシウムイオンの排出を促す物質が、マグネシウムです。
マグネシウムは歯や骨の形成に欠かせない、非常に大切な栄養素です。
このマグネシウムを多く含んだ栄養素が、海藻類なのです。
マグネシウムは生命維持に欠かすことができない栄養素で海外では既に説教的に摂取するよう指導されていますが、日本ではどちらかと言えばカルシウムのほうを優先的に摂取する傾向があるようです。そのことが歯周病の悪化を招く結果になっていると考えられます。
そこでマグネシウムなどのミネラル分豊富な海藻が注目を集めているのです。
海藻に含まれる成分とその働きとは
海藻の代表と言えばワカメや昆布、あおさなどが思い浮かびますが、その他にもミル、のりなどがあります。
海藻にも種類があり、緑藻類(りょくそうるい)、褐藻類(かっそうるい)、紅藻類(こうそうるい)といった種類があります。これらの海藻類はマグネシウム、ミネラルを豊富に含んでおり、カルシウムイオンの排出を促すだけでなく、唾液の質を良くする働きもあります。
特にミルに含まれるミルレクチンは、歯周病を引き起こすバイオフィルムを形成しにくくする成分を持っていると言われています。
歯周病は生活習慣病。食生活とともに生活習慣の見直しを
海藻が持つ成分についてご説明しました。海藻が直接歯周病の予防や改善につながるかどうかは、まだなんとも言えないところです。しかし海藻が持つマグネシウムやミネラル分は唾液の性質に大きく関わります。唾液はお口の中で歯周病菌などの繁殖を抑える非常な大切な役割を持っています。
歯周病は生活習慣病の一つです。体の健康を作るためには、まず歯周病を予防、改善することから始まります。食生活や生活習慣を見直し、体に良い生活を送るようにしたいものです。