アルコールを飲んだ後は眠くても必ず歯磨きをしましょう。
2018年03月30日
美味しいお酒と美味しい食べ物を堪能したあと、つい歯磨きを忘れてそのまま寝てしまうことはありませんか?アルコールが入ると、どうしても眠くあり、歯磨きが面倒になりがちな人もいるでしょう。ではお酒を飲んだあとに歯磨きをせずに寝てしまうとどうなるのでしょうか。
アルコールと虫歯の関係について
アルコールは虫歯の原因になるのかというと、実はアルコールそのものは虫歯の直接的な原因にはなりません。しかし、アルコール飲料に糖分が含まれていると、それは虫歯の原因のひとつになってしまいます。特にビールや甘いチューハイ、カクテルなどは糖分が含まれています。長時間にわたり糖分を摂取するという意味では、アルコールに含まれる糖分が虫歯を引き起こす要因と考えられます。
しかしアルコールの糖分だけが虫歯の原因ではありません。
と言うのも、虫歯になるメカニズムは虫歯菌によって作られる酸が歯を溶かすためであり、単に糖分だけが虫歯の原因ではないからです。
アルコールと口腔内トラブルの関係とは
虫歯に限らず、アルコールを摂取してそのまま寝てしまうことで、様々な悪影響が出てきます。
・だらだら食べることによる虫歯リスクの高まり
アルコールの席では、つい長時間飲んでしまいがちです。そしてアルコールだけでなく、食べ物やおつまみなどをつい口にしてしまいます。虫歯ができる原因のひとつは、時間を決めずにだらだらと食べることです。
食後の口の中は酸性に傾き、虫歯になりやすい状態です。食後は歯の表面が少し溶けている「脱灰」状態であり、この状態がずっと続くとやがて歯がどんどん溶けて虫歯になってしまいます。またプラークは糖分を中心に作られて歯に付着します。そこに虫歯菌などの細菌が棲みつき、酸を放出して歯を溶かします。食後の歯磨きをきちんと行えばプラークは形成されにくいですが、お酒を飲んで歯磨きをせずに寝てしまうと、歯の間に残った食べかすからプラークが作られ、虫歯になりやすい環境となります。
・口の中が乾き、細菌繁殖しやすくなる
アルコールには利尿作用があるため、体の水分が減少します。口の中も乾きやすくなるため、虫歯菌や歯周病菌などの細菌が繁殖しやすくなります。唾液は細菌を洗い流す、再石灰化を促すなど様々な効果がありますが、口の中が乾くとこういった働きが弱まってしまいます。
・ワインは歯が溶ける「酸蝕症」リスクが高まる
アルコールの中でも特にワインは酸性が強く、歯を溶かすリスクが高まります。酸蝕症とは、虫歯ではないのに酸によって歯が溶ける病気で、ワインやレモン、胃液など酸性が強い物質により歯が溶けてしまいます。
・口臭が強くなる
アルコールを飲んだあとは独特の口臭がします。特にアルコールをたくさん摂取したあとは口を開けて寝てしまうことが多いため、口の中が乾燥して細菌が増えることで口臭が強まることがあります。
まとめ
お酒を飲んだあとに歯磨きをせず寝てしまうことで、このようなトラブルが出てきます。
特に虫歯菌はプラークを好むため、プラークを作らないように食べた後の歯磨きは必ず必要です。美味しいお酒と料理のあとは、きちんと歯磨きをして口腔内環境を整えるようにしましょう。