メタルコアとファイバーコアの違いで歯の寿命がかわる?
2018年03月27日
ひどい虫歯でも何とか歯を残すことができる場合、神経の治療後、土台を立てて被せ物を被せる治療を行います。このときに使う土台ですが、実は素材によって歯の寿命が変わると言われています。歯を長持ちさせることができるファイバーコアについて、金属の土台と比較してみました。
歯の土台はとても大切
虫歯が神経まで達してしまった場合、神経を取り除いて根の中をきれいにする根管治療を行います。根の中がきれいになった後、最終的な薬を詰めて土台(コア)を立てて被せ物を被せます。
神経を取り除いた歯は薄くなり、脆くなってしまうためそのまま被せ物を被せることはできません。コアを立てて歯に強度をつけることが必要となります。
ここで大切なことは、歯の土台はとても大切であることです。残った歯をできる限り長持ちさせるためには、歯に過度な負担をかけないことが条件となってきます。特に虫歯が大きく、歯の神経を全て取り除いた場合、歯の内部の空洞が大きくなり歯質そのものが少なくなります。強度が強すぎる場合、歯の根が耐えられずに残った歯質が破折してしまうことがあり、せっかく残った歯を抜歯しなければいけなくなります。
抜歯という最悪の事態を防ぐためにも、土台はできる限り歯や根に優しい素材を使うことが望ましいと言えます。
このように、歯の寿命を考えた場合、土台はとても重要なのです。
コアの種類
被せ物に使われるコアには次のような種類があります。
・メタルコア(金属の土台)
・レジンコア
・ファイバーコア(グラスファイバーとレジン)
保険適用でよく使われるコアは、金属を使ったメタルコアです。費用を抑えることができる反面、デメリットが多い素材です。
ではメタルコアとファイバーコアの違いを挙げてみます。
メタルコアとファイバーコアの比較
・メタルコア
メタルコアは保険が適用されるため治療を抑えることができます。
しかし金属素材のため、強度が強すぎることが逆に歯にダメージを与えてしまいます。
特に奥歯で強く噛んだとき、歯の根に大きなダメージが加わり、歯が割れてしまう可能性が高くなります。
また経年劣化に伴う歯ぐきの黒ずみの原因にもなります。金属が溶けだし、歯ぐきが黒っぽく変色してしまうことがあるため、審美的にも問題が生じてしまいます。
その他にも金属アレルギーをお持ちの方は、アレルギー症状が出てしまうことがあるなど、メタルコアは費用が安い以外にメリットは存在しないと言えるでしょう。
・ファイバーコア
ファイバーコアは、グラスファイバーとレジンで作られたコアで、白くしなやかな土台です。
グラスファイバーはしなやかさと柔軟性を伴った素材で、強く噛んでも力が分散されるため歯の根に過度な負担を与えません。そのためメタルコアと比べ、歯を長持ちさせることができることは非常に大きなメリットと言えます。
また歯を削る量も、ファイバーコアとメタルコアでは違います。メタルコアは歯をたくさん削らなければいけませんが、ファイバーコアはメタルコアに比べて歯を削る量が少なくて済みます。そのためメタルコアよりも歯質をたくさん残すことが可能となります。
そして審美性にも優れており、メタルコアのように素材が劣化して金属が流れ出すこともありません。透過性が高いためオールセラミッククラウンなどを被せても、コアが透けて見えることもありません。
デメリットは、費用が高くなることです。ファイバーコアは保険適用外のため、メタルコアに比べて高額になります。相場は5,000円前後が多いでしょう。
少しでも歯を長持ちさせるためにはファイバーコアが最適
メタルコアとファイバーコアの違いをお話しました。歯はいちど削ると二度と元には戻りません。そして歯を失ってしまうと、自分の歯で噛むことができなくなります。今ある歯を大切に使うためには歯に負担をかけず、長持ちさせる治療法を選ぶことが大切です。
メタルコアは歯の寿命を短くするリスクが高いため、歯を長持ちさせるためにはファイバーコアを使うことが最適でしょう。