虫歯になるメカニズムと予防方法
2018年03月23日
ちゃんと歯を磨いているのに、なぜか虫歯になってしまうことはありませんか。虫歯になる原因は実は生活習慣に大きく関ります。
食後の歯磨きをきちんと行っているのにすぐ虫歯になる人は、生活習慣を見直す必要があるかもしれません。
虫歯になるメカニズム
虫歯はプラークに棲みついた虫歯菌から作り出される酸により歯が溶けていく病気です。
虫歯の元凶となるプラークは、食べかすやブラッシング不足による磨き残しが原因で作られる細菌の塊です。
虫歯菌によって放出される酸は、まず歯の表面のエナメル質を溶かし、徐々に進行して象牙質、そして神経まで到達します。虫歯が神経まで達すると、ズキズキした痛みを感じます。
そのまま放置するとやがて神経は死に、歯はすっかり溶かされて根だけになってしまいます。
虫歯の進行は次のとおりです。
- C0(歯の表面が少し溶け、白濁した「脱灰」になる)
- C1(エナメル質が溶け、少し穴が開いているように見えるが、痛みなどは感じない)
- C2(虫歯が象牙質まで達し、冷たいものや甘いものがしみる)
- C3(虫歯が神経まで達し、ズキズキと激しい痛みを感じる)
- C4(神経は死に、根だけになった状態で、歯を残すことは不可能)
虫歯はプラークが原因で発症、進行するためプラークを溜めない口腔内環境を整える必要があります。次に虫歯になりやすい人の特徴をご紹介します。
食事や間食の摂り方に問題が・・・
虫歯の原因となるプラークは食べかすの中の糖分を栄養源にして作られます。プラークになるまでの時間はおよそ8時間と言われており、食べてすぐにプラーク化するわけではありません。私たちの口の中は飲食後酸性に傾いており、歯が溶けやすい状態となっています。酸によって歯の表面が少し溶ける状態を「脱灰」と言い、飲食後はこの脱灰状態になっています。その後唾液により口の中が中和され、唾液中に含まれるミネラルなどの成分により、溶けた歯の修復が行われます。これを「再石灰化」と呼び、私たちの口の中は飲食のたびに脱灰と再石灰化を繰り返しています。
唾液により中和される時間は食後30分くらいで再石灰化が始まります。
ところがいつまでもだらだらと食事を続けている、間食の回数が多いなど、口の中に常に食べ物が含まれていると、唾液による再石灰化の時間がなくなってしまいます。そのためどんどん歯が溶け続け、やがて虫歯になってしまうのです。
甘いものを食べる=虫歯になると思われがちですが、甘いものを食べたからと言ってすぐに虫歯になるわけではありません。しかし飴などは口の中に入っている時間が長く、なかなか再石灰化されにくい状態です。つまり長い時間口の中に糖分が多いものを含むことで、虫歯リスクが高くなります。
また唾液は再石灰化には欠かせないものですが、唾液分泌が少ないと、虫歯になるリスクが高まります。よく噛むことで唾液は分泌されますが、あまり噛まない・口呼吸・ドライマウスの人は唾液分泌が少ないため、虫歯になりやすい傾向があります。
虫歯になりにくい生活習慣とは
では虫歯になりにくい生活習慣とはどのようなことでしょうか。虫歯を防ぐための生活習慣のポイントをご紹介します。
・だらだら食べず、食べる回数や時間を決める
いつまでも食べていると、口の中がずっと酸性状態となるため虫歯リスクが高まります。食事時間や回数を決め、だらだら食べないようにしましょう。
また間食も回数を決めることが大切です。
・よく噛んで唾液を分泌させる
唾液は再石灰化に欠かせないとても大切な成分です。唾液がたくさん出るよう、しっかりと噛んで食事をしましょう。また食後にキシリトール100%ガムを噛むこともおすすめです。
・寝る前の歯磨きは必ず行う
就寝中は唾液分泌が少なく、細菌が繁殖しやすい状態です。寝る前にしっかりと歯磨きを行い、できる限り細菌の繁殖を抑えるようにします。
また歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯の間の汚れもきれいに落とすようにしましょう。
・フッ素入り歯磨きペーストを使う
日常の歯磨きに使う歯磨きペーストをフッ素入りのものにすることで、歯の質を強くして虫歯になりにくい歯を作り出します。また歯科医院で定期的にフッ素塗布を受けることもおすすめです。子供だけでなく、大人もフッ素塗布を行うことで虫歯予防を行うことができます。
虫歯になりにくい生活を送りましょう
生活習慣が虫歯に繋がることをお話しました。すぐに虫歯になる人は、お話したことが原因の場合もあります。生活習慣を見直し、虫歯になりにくいお口の中を作り出しましょう。