歯を失ってしまったら 入れ歯とインプラントについて3
2018年03月16日
歯を失ってしまったら?③ ~安心してインプラントにするために~
インプラントは失った歯の機能を回復させる治療法のひとつです。どの治療にもメリットだけでなく、デメリットはつきものです。今回はインプラントのデメリットに焦点を当てながら、安心してインプラント治療を受ける秘訣についてご紹介します。
インプラントとは
インプラントとは、失った歯の部分に埋め込む人工の歯根です。進行した虫歯や事故などで歯が折れてしまった場合でも、歯を残すことが可能であれば根の治療後に土台を立てて被せ物(差し歯)を装着することができます。しかし歯を残すことが出来ず、抜歯になってしまった場合、噛む機能を取り戻す治療が必要になります。インプラントはこの部分にインプラント体を埋め込んで根の役目を取り戻し、その上に人工歯を装着して噛む機能を取り戻す治療のことを言います。
インプラント体はチタンまたはチタン合金から作られています。このチタン合金は人工股関節の手術などの際に使われる金属で、人体のとの親和性に優れており安全性が確認されています。歯科用インプラントはフィクスチャー(インプラント本体)・アバットメント(人工歯とインプラントをつなぐための連結パーツ)・上部構造(人工歯)という3つで成り立ち、外科手術によって機能を回復させます。
機能回復方法には入れ歯やブリッジがありますが、これらの方法はバネをかける歯や土台となる歯に大きなダメージが加わり、のちに失ってしまう可能性が非常に高くなります。インプラントは必要な部位のみ治療を行うため、インプラントを行うことで他の歯がダメージを受けることがありません。これはご自身の歯の健康にとって非常に大きなウェートを占めます。
インプラントのデメリットとは
インプラントは天然歯に近い噛む力を取り戻すことができること、審美性に優れていること、そして他の歯に影響がないことが大きな特徴で、将来的な歯の健康を考えると最も優れた治療法と言えます。
しかし当然デメリットも存在します。インプラントのデメリットとは
・外科手術を伴う
・ごく一部の症例を除き保険適用となるため、高額な費用が必要となる
・入れ歯やブリッジと違い、どこの歯科医院でも治療ができるわけではない
入れ歯やブリッジには、上に挙げたようなデメリットがありません。インプラントは外科手術を必要とする処置を伴うため、手術に対する不安や恐怖心を感じるかもしれません。
抜歯だけでも怖いと思う方や、歯科恐怖症の方はなかなか踏み切れないため、インプラント治療が難しいと考えられます。
また費用面も大きなデメリットとなります。インプラントは限られたごく一部の症例を除き、全額自己負担となります。費用は歯科医院や地域により異なりますが、インプラント一本当たりの相場は約30~40万円くらいと言われています。また総入れ歯の人用のインプラント「オールオン4」や、上顎の骨が薄い人のための「ザイゴマインプラント」などは、かなり高額な治療費が必要になります。
インプラント治療は全ての歯科医院で取り扱っているわけではありません。例えば出先でインプラント治療箇所に何かトラブルが起きた場合、急患として訪れた歯科医院がインプラント治療を行っていなければ対処ができない場合があります。入れ歯やブリッジはほとんどの歯科医院で取り扱っているため対応が可能ですが、インプラントは治療を受けた歯科医院またはインプラント治療を行っている歯科医院しか受けることができません。
インプラントを安心して受けるための3つのポイント
では安心してインプラント治療を受けるためのポイントはどこにあるでしょうか。
・歯科医院選び
インプラント治療を安心して受けるための最大のポイントは、歯科医院選びです。インプラントの実績や症例が多い歯科医院は設備や体制がしっかりと整っています。しっかりとしたカウンセリング、通常の麻酔だけでなく静脈から直接血管に麻酔を入れる「静脈内鎮静法」の導入そして何かアクシデントが起きた場合に備えて、設備の整った病院との連携が取れている歯科医院を選ぶようにして下さい。
特にカウンセリングは患者さんと歯科医院の信頼関係を築く非常に重要な項目です。カウンセリングを重視しているかどうかは大きなポイントです。
・費用が明確であること
治療費の内訳を明確にしている歯科医院かどうかも安心材料のひとつです。提示されている費用に何が含まれているのかをきちんと説明してくれる歯科医院を選びましょう。また相場よりも大幅に安い費用や激安を謳っている歯科医院は注意して下さい。特に激安インプラントは粗悪な素材が使われている場合があるため、トラブルの原因になります。
・よく知られたメーカーを扱っているかどうか
インプラントは国内外合わせて非常にたくさんのメーカーから発売されています。名前がよく知られているメーカーの場合、引越しなどで別の歯科医院に変わる場合でも取り扱っていることが多く、歯科医院探しもそれほど手間がかからないでしょう。出先などで急なアクシデントが起きても、よく使われているメーカーなら歯科医院を探しやすいでしょう。
インプラントは非常に優れた治療法
インプラントのデメリットを中心にお話しましたが、インプラントにはデメリットをカバーできる優れた面を持っています。安心して治療を受けるためには歯科医院選びが最も大切です。信頼関係がしっかりと築ける歯科医院を選び、健康で快適な口腔内を取り戻しましょう。