歯を失ったらブリッジ?インプラント?
2018年02月13日
虫歯や歯周病などで歯を失った場合、噛む機能を回復させる治療が必要になります。失った噛む機能を補う方法には入れ歯の他にブリッジとインプラントがあります。今回はブリッジとインプラントの違いと、それぞれの特徴をご紹介します。
ブリッジの特徴とは
ブリッジは失った歯の両隣の歯を土台にして装着する橋のように繋がった人工の歯のことです。噛む力が強いため、しっかりと噛むことができます。
・保険適用のため、安価で治療できる
ブリッジは全ての部位において保険適用が可能なため、治療費を抑えることができます。
前歯は表側が白いプラスチック、内側と裏側は金属素材で作製されていますが、臼歯部のブリッジは保険適用の場合、全て金属素材になります。
- 外科手術を伴わない
ブリッジは外科手術を伴いません。支えになる歯がしっかりしていれば、誰でも治療することができます。そのためインプラントのように顎の骨の量に左右されることがありません。
- 治療期間がそれほど長くない
インプラントと比較すると、ブリッジは治療期間が長くありません。保険適用の場合、型取りから10日~2週間ほどで装着することができます。自費の素材の場合はもう少し日数を要しますが、インプラントと比べると治療期間が短いことは大きなメリットでしょう。
ブリッジのデメリット
次にブリッジのデメリットについてご紹介します。ブリッジの最大のデメリットは、ブリッジを支えるための健康な歯をたくさん削らなければいけないことです。健康な歯を削ることはリスクが高く、歯の寿命を短くする可能性が高くなります。自分の歯を残すことを考えると、選択肢として悩むところでしょう。
また保険適用のブリッジの場合、金属素材を使用するため歯に大きな負担がかかります。咀嚼力は強いものの、特に奥歯の場合、噛む力が強いことと金属素材を使用することから対合の歯を痛める可能性が高くなります。
口臭が強くなりがちなことも、ブリッジのデメリットです。ブリッジは清掃が難しいため、汚れが溜まりやすく口臭の原因になります。
インプラントの特徴とは
インプラントは顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、人工歯を装着して噛む機能を取り戻す治療法です。顎の骨とインプラントがしっかりと結合することで、自分の歯のようにしっかり咀嚼することができます。
- 他の歯に影響がない
インプラントは機能面と審美面ばかりが注目されがちですが、ブリッジや部分入れ歯と異なり、失った部分のみ治療を行うため他の歯に影響を与えません。これは見落としがちなことですが、他の歯の健康や寿命を考えると、失った部分だけを治療することができるインプラントは、他の健康な歯を守る治療でもあると言えます。
- 優れた審美性
インプラントは天然歯のような自然な噛み心地の他に、優れた審美性を併せ持っています。
人工歯はセラミックやジルコニアなどを使用するため、周りの歯と見分けがつかないほど自然に馴染みます。
インプラントのデメリット
インプラントのデメリットは、自費治療のため高額な治療費が必要ということです。ごく一部の症例を除き、保険が適用されないため安価で治療ができないことは最大のデメリットです。
またインプラント体を顎の骨に埋め込む外科手術を必要とするため、持病を持っている人はインプラント手術ができない場合があります。誰でも治療できるブリッジと異なり、全ての人がインプラント治療ができるわけでありません。
治療期間が長くなることも、インプラントの問題点のひとつです。顎の骨にインプラントを埋め込んでから結合するまで一定期間が必要であり、その間は歯がない状態で過ごすことになり、不自由を感じてしまうかもしれません。
自分に合った治療法を選択し、今後の口腔内の健康を保つことが大切
ブリッジとインプラントの違いについてお話を進めてきました。どの治療もメリットとデメリットはつきものです。大切なことは、しっかり噛むことと、今ある歯を大切にして口腔内の健康を保つことです。どちらの治療法が自分に合っているのか、主治医とよく相談して決めるようにして下さい。