歯科治療にマイクロスコープは必要不可欠です!
2018年02月5日
虫歯や根の治療などの歯科治療は歯科医師が目で確認し、経験と感覚で行われていることがほとんどです。歯科治療は精密な治療を必要としますが、見えていたつもりでも実際は感染部分が残ってしまうことがあり、再発に繋がる可能性が高まります。このようなことを防ぐために、マイクロスコープを使う歯科医が増えています。
マイクロスコープとは?
マイクロスコープとは、主に脳外科などの医科領域で使用される顕微鏡です。このマイクロスコープは、肉眼では見えにくいものを3倍~30倍程度に拡大して見ることが可能です。このマイクロスコープを歯科治療で使う歯科医院が増えてきました。と言うのもマイクロスコープを使うと、ごく小さな虫歯や歯のヒビなど、肉眼では発見しにくい状態を見つけることが可能になります。また根管治療(根の治療)や被せ物の装着、歯周病治療など幅広い歯科治療領域において、より精密に治療を行うことができることも、マイクロスコープを使った治療の特徴です。
マイクロスコープを使う治療について
マイクロスコープは主に次のような治療に使用されます。
- 虫歯治療(肉眼では見落としやすいほどごく小さな虫歯、削る部分を最小限にとどめる治療)
- 根管治療(根の中の細部を確認し、細菌が残っていないかどうかを確認する)
- セラミッククラウンなどの装着(隙間なく被せ物を装着する)
- ダイレクトボンディング(歯に直接レジンを盛り、形成するため細かな技術を要する)
- インプラント(より精密にインプラントを埋入する)
歯科治療というのはとても細かい作業です。これまでは歯科医師の技術や経験、そして毎日の治療で培った感覚で治療が行われており、その結果、たくさんの不具合を生じているのが現状です。
肉眼では感染部を取り切れたように見える虫歯も、実際はごくわずかな虫歯の取り残しがあり、その結果治療を行ったにもかかわらずまた歯が痛くなることがあります。
逆に必要以上に虫歯を削り、その結果健康な部分をたくさん失ってしまうことになります。ご存知のように、歯はいちど削ると二度と元には戻りません。削らなくてもよい健康な部分まで削ってしまう可能性が非常に高いということになります。
また根管治療は歯科医師の経験とともに、勘や感覚を頼りに治療が行われることがほとんどです。しかし根の構造は患者さんによりそれぞれ異なり、中には曲がったものや複雑に枝分かれしている形態もあります。このような根の形状の場合、細菌の取り残しに繋がってしまいます。このような勘や感覚による治療だけでは当然取り残しの可能性があり、その結果再発の可能性が高くなります。マイクロスコープを使い、目できちんと確認しながら複雑な根の治療を行うことで、細菌を完全に取り除くことが可能となります。
つまりマイクロスコープは、より正確な診断・再発の防止そして削り過ぎを防ぐためにとても有効な方法なのです。
精密で高度な治療を行うためにマイクロスコープは必要不可欠
歯科治療においてマイクロスコープを使う理由と必要性についてご説明しました。
これまで「見えていたつもり」で行ってきた治療が、マイクロスコープを使うことで確実な治療、肉眼では見えない微細なレベルまで確認することができます。そのためより精密で、高度な治療を提供することができるのです。